2014年02月17日
化銀杏

泉鏡花作品は30分くらいで読めるものが多い。短い尺に無駄なく濃密な時間を閉じ込めるところは天才的だ。この作品はちょっと長めで1時間くらいかかる。
金沢の浅野川べりの町家を舞台に、若奥さんと少年の軽妙なやりとりがしばらく続き、コミカルなシーンもあってホッとする。まるでジブリ映画みたいな雰囲気である。まさかこのまま終わることはあるまい、と読み進めると案の定、若奥さんの「愚痴」が少しずつ不穏な空気を帯び始める。
人は誰しも大なり小なり、最も近い人にさえ知られたくない心の闇や業を持っているのではないか。その業のうち考え得る最大級のものが後半で語られる。ほのぼのとした長めの前半が効いている。ホラーでもオカルトでもないが、途轍もなく怖い作品。いつもすぐにもう一度読み返すのだが、これはちょっと間をおきたいと思った。怖いけれども読みやすくて滅法面白いのでお薦め。












































