2013年05月17日
騎馬民族
江上波夫氏の「騎馬民族征服王朝説」 と、それに反論する佐原真氏との対談記録である。
4~5世紀頃にモンゴル方面から朝鮮半島を経由して北九州に渡ってきた騎馬民族が、弥生人を中心とする日本を緩やかに馴化・征服し大和朝廷を立てたという、これまでの常識からすれば荒唐無稽とも言える説。 天皇の起源にも絡むことなので右派勢力からの反発も相当なものであったらしく、戦前の着想ではあったが戦争が終わるまではとても発表できなかったという。
手塚治虫の「火の鳥 黎明編」では神武東征神話になぞらえてヒミコの邪馬台国が征服される。その王はニニギ(映画ではジンギ)と言ったが明らかに騎馬民族であり、おそらくこの説の影響も受けているのではないか。
現在の学会に賛同者は少ないようだが、かといって完全に否定されたわけでもない。この時代の日本社会が驚くほど急激に発展し変化したことについて謎は多く、何らかの、大規模な外的要因はあったと思う。 騎馬民族が知略政略にたけており、最小限の戦争で広大なアジアを征服していったことを考えると、この説は大げさとしても、かなりの影響を受けたことは、あるかもしれないなとは思える。
江上氏は1930年代のアジア遊牧地帯に長期間滞在し研究しており、その貴重な経験とともに、騎馬民族への思い入れ、肩入れが強いことが伺える。我田引水的ではあるにせよ、いまだ説明出来ていない日本国の成り立ちに疑問を投げかけるものであり、ロマンにあふれている。
脚注にも力が入っていてとてもわかりやすく、アジア古代史の入門書として、とても楽しく読めた。ふたりの話は笑ってしまうくらいに全然かみ合っていないのだがとにかく面白い。
いろいろ読みながら、マイノリティの民俗から歴史へと広がってきた。どうも自分の興味は農民、農耕以外のところへ行くらしい。単なるへそ曲がりかもしれないが、そういえば自分が知る限りの親族に農家はない。 古代史については少し体系的に、高校生のように?勉強してみようと思う。













































