2026年05月13日
キャンプとKindle、あるいは女性作家

Kindleの良さは、大量の本をどこにでも持ち運べて、そのときの気分で読みたい本を読めること。
中でも、短編は脳の始動に時間がかからず、ちょっとしたスキマ時間に別世界へ旅することができる。
スマートフォンやタブレットと違って、直射日光下でも快適だ。むしろ明るければ明るいほど読みやすい。
最近、キャンプ場で読んだ短編集はどれも素晴らしかった。
川上 弘美 ざらざら 2006年
原田 マハ さいはての彼女 2008年
村田 沙耶香 生命式 2019年
川上弘美(1958年生)の作品は「音楽」のようだ。90年代に文芸誌で短編を読んで、印象に残っていた。
日常と非日常の境界、自己と他者の境界。日本語が美しく、ひとつひとつの文が「詩」として成立する。安易に起承転結に頼らず、クラシックやジャズのように何度でも聴ける。
深さ、強さ、重さに加えて、生々しい音、香りや味、爽やかな風。鹿とかラジオとかコーヒーメーカーとか、ちょっとした物体の描写がリアルなのは理系(生物)出身のせいだろうか。
繰り返し読みたくなるので、図書館で借りるより、Kindleで購入すべき作家だと思う。
原田マハ(1962年生)は対照的に、単純明快なストーリーに引き込まれた。
表題の「さいはての彼女」は圧倒的に痛快で疾走感たっぷり。北海道とバイクの話で、学生時代に自転車で2周した体験からも共感するところが大きかった。
エンタメ性が高く、ベタでもある。あえて先を読ませて納得感をもたせるところが、小説というより「脚本」に近いと思った。(「総理の夫」は実際にドラマ化されている)
ただし本業?はキュレーター経験を活かした美術史系ミステリーのようなので、いずれ読んでみたい。
村田沙耶香(1979年生)は コンビニ人間 でラノベ的だと書いたが、とにかく常識を覆す「設定」がすごい。
ありそうで、ない。異質感。どういう脳がこんな設定を思いつくのか。天才的。次も読みたくなる。売れっ子なのがよくわかる。現代のアニメやラノベは「設定」「世界観」が肝だ。
表題「生命式」は歴史に残る傑作(怪作)ではないだろうか?妻は「世界99」が最高だと言っていたので読んでみよう。
それぞれ個性が異なり、読み応えも全く違っているが、どこか繋がりも感じられる。さらに林芙美子とか樋口一葉など古典も加えてランダムに同時並行で読む。
陽光のもとで海風を感じながら、紙のように白いkindleの画面が連れて行ってくれる。
→Kindle Paperwhiteのレビュー












































