読書と歴史民俗

2016年08月21日

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暑い日曜日。ダイアナ・クラールを聴きながら「コンビニ人間」を読んだ。こういう話題の本はあまり買わないが題材に社会学的な興味があった。
なかなか面白いし考えさせられるところもあるけれど、ラノベ的というか、芥川賞ってこういう作品でいいんだ〜と思った。

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2016年04月22日

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サンカ社会の研究 三角寛

古本が安くなってきたのでようやく入手。復刻版が出るまでは「幻の研究書」として古書店で10万円以上の値が付いていたそうだ。確かに、当時は「どうしても読みたい」と思わせる本だったのだろう。サンカといえば三角寛  、三角寛といえばサンカ。昭和初期にサンカ小説で一世を風靡した後に表舞台から消え、戦後しばらくして突如として発表された驚愕の研究書。三角寛はこの論文で文学博士号を取ったのだという(文学というところが微妙な扱いだ^^;)。

ただし今となっては、読み進めるのがやや辛い本である。古本が安くなったのは理由がある。そう、これは偽書なのだ。

内容のほとんどが創作だとわかっていても、よくもまあここまで書けたものだと、三角寛の想像力と忍耐力に驚いてしまう。最近の他の研究者による客観情報を知らなければ、信じてしまう人がいても無理はない。全編が(わかる人にはわかる^^;)民明書房みたいなものなのである。いまだにネットで「サンカ」と検索すれば三角寛ワールドが真実として流布されている。何を隠そう僕自身も、初めてサンカに興味を持った10年くらい前には三角寛を起点とする情報のいくつかを信じていたのだ。映画 瀬降り物語 や小説 風の王国(五木寛之) は三角寛の影響下の作品であり、これらの「二次創作」がサンカ像を作っていったことは間違いない。そしてこれらが虚構であることが確実視されるようになったのは、ここ10年以内のことであろう。

本編との対比として、巻末(といってもかなり物量がある)の沖浦和光 による解説が素晴らしい。沖浦氏のサンカ論に僕は全面的に賛成はしないのだが、三角寛作品の虚構性を冷静に指摘している。そして最後に、三角寛の著作権を引き継いた婿養子、三浦大四郎氏によるあとがきが秀逸。養父への複雑な感情が吐露されてなんとも言えず物哀しく味わい深い。この「研究書」は偽書ではあるが、近世の山河に漂泊民が存在したことはれっきとした事実であり、そのことが社会でどのように捻じ曲げられてきたかを知る上で、避けては通れない貴重な資料であると思う。


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2016年04月12日

サンカの村、マタギ、被差別部落などを訪ね歩くルポルタージュ。特にサンカ末裔の取材は貴重だ。サンカの主要な生業とされる箕作りへの差別がまだあることに驚く。徹底して足で稼ぐ一匹狼のような研究者、筒井功 さんの存在そのものが発見だった。ちょっと文体が軽くて印象に残りにくい気もするが、とても読みやすい。他の作品も題材の選択が興味深いのでぜひ読んでみたい。

それにしても宮本常一の忘れられた日本人 は多くの作家や研究者に深く愛され、尊敬されているのだなあと思う。



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2016年04月08日

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つがるそとさんぐんし.....縄文から中世にかけて、ここにもうひとつの日本があった.....長く辺境とされてきた東北の寒村に熱狂をもって迎えられた王朝伝説。日本史を根底から塗り替えるような「大発見」を追うひとりの新聞記者による渾身のルポルタージュ。事件の経緯と壮大さ、そして社会的影響はあの旧石器捏造事件にも似ている。どちらも東北の地から生まれたのは偶然ではないかもしれない。そして実際に「本物」である三内丸山遺跡が発見されたことが、こんな虚構にさえロマンを与えている気がする。400ページを超える長編だが、文のテンポと構成が良く臨場感抜群なので休日が1日あれば一気に読める。歴史考古学マニアでなくとも、ミステリーとして読んでも絶対面白い、超お薦めの1冊。


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2016年03月02日

SMAP問題があったときにWEBで評価が高かったので衝動買い。

実はかなり売れているらしいが、タイトルほど下世話な本ではない。有名なゴシップの真相みたいな話ももちろんあるが、中盤からはそうしたことが起こる構造について、芸能の歴史をじっくり紐解いてゆく。ヤクザが仕切っていた戦前戦後、1950年代の映画全盛期に作られた5社協定というカルテル、時代の変化を先取りしていったナベプロ、バーニング、ジャニーズ、吉本らの栄枯盛衰が淡々と描かれる。全てが真実とは限らないが情報量はたいへん多く、取材はさぞ大変だったろうと思う。

僕はサッカー以外にほとんどTVを観ないし芸能界には疎く興味もないので、民俗史のひとつとして興味深く読んだ。日本のあらゆる産業の根底にある元締め構造が最もわかりやすい形で表れるのが芸能界だ。そして中世以来、賤民の仕事とされてきた芸能への蔑視が今も残っていることを強く感じる。SMAPの会見はまさにそれだった。あれほどの人気がありながら、彼らは人間としての尊厳が完全に無視されているように映った。

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2016年02月29日



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2016年02月13日

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富山県民必携!!県内の古墳がほぼ完璧に網羅!! 
もちろん大好きなマイ・パワースポット稚子塚古墳ほか白岩川古墳群や立山町の藤塚古墳も載っている。
田園地帯にあってひっそり忘れられ整備もされていないが、そこが何か特別な場であると感じられる佇まいに僕は惹かれる。
呉西方面には大物が結構あるので、バイブル片手にいずれ訪れてみたい。海人による環日本海文化を夢想しつつ…

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日本の魚は大丈夫か   漁業は三陸から生まれ変わる / 勝川俊雄

日本の魚資源管理の不備に関しては「漁業という日本の問題」 とかぶる部分が多いが、極めて重要な内容が追加されている。
この本が発刊された3.11直後の時点での放射能と魚の安全性について、勝川氏の冷静な見解が興味深い。
日本では川魚の消費量が多くないせいかあまり言われていないが、海以上に川魚に放射能の影響が強いという論にはとても説得力があると思った。


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2016年02月10日

 

イスラム国とは何か/常岡浩介

常岡浩介さんはいつも危険地帯に入り、チェチェンやタリバンなどに拘束されては無事帰還されている超人。日本で一番危険な目に遭っているジャーナリストかもしれない。常に独自の行動を取り、公安にもマークされている。自らがムスリムでもあり、なんとイスラム国の士官に友人がいる。twitter等で見せる人間的な魅力にも惹かれる。 とにかく超面白い人なのである。

この本はとても読みやすい内容で、体系的な知識には結びつかないけれど、現地での体験だからリアリティがある。池内恵さんの「イスラーム国の衝撃」と並行して読んだら面白かった。 
ひとつだけ絶対に覚えておくべき知識があるとすれば、現在のシリアで殺戮を繰り返している主体はイスラーム国ではなくアサド政権であるということ。
イスラーム国の暴虐性はアサド政権が自らを正当化するために誇大に宣伝し利用していると言っても過言ではない。

常岡さんには今後も活躍して欲しいのだが、とても心配でもある... どうかご無事で...

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イスラーム国の衝撃 /池内恵

普通の日本人にとってイスラーム国についての基本的な理解は、これ1冊でOKといっていいのではないか。 圧倒的な情報量なのだがとてもわかりやすい。 
最も重要なのは、イスラーム国という組織や指導者を軍事攻撃で潰したところで、テロはなくならないということ。
イスラーム国にしろアルカイーダにしろ、それを支えているのは人や組織ではなくて、思想なのだ。
誰かの大号令があるわけではない。ひとつの思想のもとに、世界中で自動的にテロが発生するようになっているのだ。

池内恵さんはfacebookでもフォローしているが、中東に関する知の巨人といってもいい。 (茶目っ気やユーモアもある^^;)
この本は中東を知りたい人がまず最初に読むべき教科書だと思う。特に中高校生に読んでもらいたいと思った。実際、かなり売れているそうである。
ただ、池内さんはイスラム研究者ながらイスラムに対する視線が冷たく感じる。おそらく相容れない好敵手?である中田考さんの本も買ったので読み比べてみたい。

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