2018年11月29日
さよなら原美術館
LEICA M10-P + Elmarit28mm/f2.8 4th
「原美術館」が2020年末に閉館 建物老朽化とバリアフリー、法規制の問題で
東京・北品川の原美術館が閉館へ 2020年末で
なんと原美術館が閉館するという悲しいニュースをみて、大急ぎでお別れしてきた。
まさに近代建築という佇まい。
在京時代に何回通っただろう?
面格子の見事な意匠。
エルマリート28mm4th世代は何を撮っても思ったように写る。最近はメインレンズになった。
美しいトラバーチン。
企画展のリー・キット展も良かった。ここだけは写真撮影も可能。
人間の内面と時間の関係を丁寧に表していると感じた。もっとゆっくり見たかった。
常設展は建築と一体化しており、何度見ても素晴らしい。
建物全体からヒューマンスケールを感じる。
バリアフリー化が難しいことも閉館の理由だというが、古い建築そのものを楽しむのに、それはナンセンスではないか。
例えばこの螺旋階段の先には内部空間そのものがアートになっている塔屋があり、導入装置としての階段もアートの一部と言える。
老朽化や耐震性の問題もあるが、補強の方法はあるはず。やはり都心の一等地にあることによる、経済的な問題なのだろう。
いずれ売却、解体されてマンションなどが建つのではないかと思うが、なんとか保存する方法はないものだろうか。
スチールサッシと曲面ガラス。
磯崎新の設計で増築されたカフェの居心地もよく、庭園でごろりとするのも好きだった。
閉館ニュースのせいかお客さんが多かったが、いつもはもっと空いていて、都心にこんな静かな場所はなかった。
近代建築とアートが一体化する静謐な空間。東京はまたひとつ美しい場所を失い、金の臭いしかない画一的な商業施設で満たされていく。
コメント一覧
2. Posted by roberto 2018年12月01日 11:36
カワニシさん
原美は普通のホワイトキューブの美術館とは全く異なる体験ができましたね。
閑静な住宅街を歩いていく立地、雑多な街が消去された庭園も重要な要素でした。
何度訪れても、ああいい日だったなあとしみじみ思える場所でした。
美術館が閉鎖されれば、他の使い途、商業的な用途などは難しいかもしれません。
公的な保存計画でも無い限り、売却されて高級マンションでも建つのではないかと寂しく思います。
原美は普通のホワイトキューブの美術館とは全く異なる体験ができましたね。
閑静な住宅街を歩いていく立地、雑多な街が消去された庭園も重要な要素でした。
何度訪れても、ああいい日だったなあとしみじみ思える場所でした。
美術館が閉鎖されれば、他の使い途、商業的な用途などは難しいかもしれません。
公的な保存計画でも無い限り、売却されて高級マンションでも建つのではないかと寂しく思います。
1. Posted by カワニシ 2018年12月01日 01:42
原美術館の閉館を知り、私も寂しい気持ちになりました。
当時、箱ではない、邸宅建築の展示空間はアーチストを刺激したのでしょう。
レイノーの作品は一部の内部空間そのものだし、ナムジュンパイクの作品は展示空間としてレトロな建築を選らんだ、その対比が作品性を際立てたと思います。
アートと建築の密接な関係を感じました。
建築は使われ、活かされてこそ価値あるもの。
あの建築の今後が気になります。
当時、箱ではない、邸宅建築の展示空間はアーチストを刺激したのでしょう。
レイノーの作品は一部の内部空間そのものだし、ナムジュンパイクの作品は展示空間としてレトロな建築を選らんだ、その対比が作品性を際立てたと思います。
アートと建築の密接な関係を感じました。
建築は使われ、活かされてこそ価値あるもの。
あの建築の今後が気になります。