2018年10月05日
昇圧トランス

ortofon ST-10 というあまり知られていないMC昇圧トランスを入手。中古だがデッドストック品かと思われるほどのコンディションだ。
2006年発売の中級機で、デジタル全盛かつアナログブーム前だったのか、レビュー等の情報がほとんどない。市場に少ないし、人気もないようだ。
しかし入力インピーダンス:1次2Ω~6Ω、昇圧比:3Ω・25dbとSPU向きの仕様といえる。(ortofonの現行品は2~60Ωと汎用型になっているようだ)
トランスはインピーダンス・マッチングが何より重要だが、微小信号を扱うので、劣化しやすい切り替えスイッチが無いことも有利だと思う。
シールドは内部の左右別トランスカバーと外部の分厚い鉄製筐体でしっかりしており、周波数特性:10~50kHz、セパレーション:90dBと優秀だ。
さて早速ヘッドアンプと付け替えてみると、やはり音は変わった。
SPUの特徴である中低域の押出しと厚み、中高域の輝きが増した。聴感上のS/N比も向上し、音像がカッチリと明確になった。
ヘッドアンプも十分に優秀だと思っていたが、トランスを聴くと後には戻れない。やはりSPUにはトランス一択なのかもしれない。
それにしてもOrtofon SPU#1S
アタック音の輝かしさ、生々しさ、音像の背後に分厚く存在する空気感、これは一体なんなのだろう?
タイムリーに興味深い記事を見た。アナログ特有のアームの共振やサーフェスノイズも、好ましい音の原因になっているのかもしれない。
アナログレコード特有の音響効果をデジタルで再現 音の豊かさや広がりを感じる「バイナルプロセッサー」