2018年07月10日
真空管プリアンプ×DAC
① CDデジタル出力 → RME ADI-2PRO → パワーアンプ
これが初期セッティング。ADI-2PROをDAC兼EQ内蔵プリアンプとして使用し、ダイレクト感を優先。鮮度はこれが一番で使い勝手もいい。10年前のベルトドライブ機、TL51XRもキレが増してまだまだ使える。デジタル接続方法でAES/EBUとオプティカルの違いは僅かで、微かに光がクリアで透明感があるかもしれない。真空管プリアンプをフォノイコライザー専用として使うのはエコではあるが、使用頻度が少ないのでもったいない気もする。
暑い日はパワーアンプ(300Wの電気ストーブ!)に火を入れずPHONES.OUTでバランスダイレクト駆動することもある。低音はやや緩くなるが解像感やセパレーションはかなり優秀。
② CD アナログ出力 → プリアンプ → RME ADI-2PRO → パワーアンプ
これが現在お試し中で、なかなか良いのだ。CDのアナログ出力を真空管プリアンプのボリュームでデジタル出力同等のゲインに設定する。プリアンプをCDのバッファアンプとして、ADI-2PROはパワーアンプ直前のEQ+アッテネーターとして使用するイメージ。①のデジタル接続もそのまま併用しており、入力切替のワンタッチ操作で①②の比較ができる。
①のDACダイレクトに比べて音の分離、解像は少し甘くなるが気になるほどの劣化ではない。プリアンプのボリュームをmax近くで入力しているためS/Nも問題なし。真空管回路の2次歪みのせいか、僅かに角が取れて艶やかさが増す。アナログトーンコントロールも効果が大きく、ADI-2PROのデジタルEQとは違う効き方で、心地よい音色を演出することができる。改めてミズナガ・プリアンプの性能を見直すことになった。深夜に小音量で聴くなら②が最高かもしれない。
さらに、CDとプリアンプの間にもう1台、DACを追加(点線部分)すれば、アナログ出力と2種類のDACを比較することができる。レコードのカートリッジのようにDACのキャラクターを楽しむのも一興だ。なおADI-2PROはアナログ入力に独自のEQを設定可能で、例えばレコードの超低域のみをカットするサブソニックフィルター的に使うこともできる。
③ CD デジタル出力 → RME ADI-2PRO → プリアンプ → パワーアンプ
一般的にはこれがオーソドックスなシステムだろう。プリアンプを中心とし、ADI-2PROを純粋にDACとして使用する。EQの必要がないところまでスピーカーを追い込めばいけそうだが、これではADI-2PROの機能のうち僅かしか使わないことになる。プリアンプのボリュームで絞るため②よりS/Nは不利。DACダイレクトで聴きたいときにはケーブルを差し替えなくてはならないのも不便。アナログレコード再生時には純粋なアナログシステムとなりA/D変換をしないので精神衛生上は良いかも(笑)
ADI-2PROは音質劣化のほとんどない高精度なA/D変換・アナログ入力+デジタルボリュームを有するので、様々な使い方ができる。①②の接続ではアナログ音源のデジタルデータ化も可能である。DAC機能に特化した新型ADI-2DACが売れ筋かもしれないが、価格差は僅かであり、PROのほうが楽しめる気がする。