2018年06月29日
マグロ漁業者は、なぜ、水産庁にデモをしたのか
マグロ漁業者は、なぜ、水産庁にデモをしたのか 勝川俊雄
「巻網は高性能の魚群探知機を搭載し、泳いでいるマグロの群れを一網打尽にします。近年、巻網が産卵場で集中的に漁獲を開始してから、伝統的な一本釣りや延縄でめっきりマグロが捕れなくなりました。水産庁は、巻き網以外の漁獲がほぼ途絶えた2015-2016年を基準に漁獲枠を配分したので、小規模漁業への漁獲配分は、過去の実績と比べて著しく小さくなっています。また、現在の漁獲枠配分で固定されると、資源が回復しても、そのほとんどが巻き網に優先的に配分されることになります。小規模零細漁業をないがしろにして、大型漁船に優先的に漁獲枠を配分するのは、国際的な取り決めに反しています。FAOの持続的漁業の行動規範やSGDs 14.bでは、小規模・伝統的漁業者への特別な配慮の必要性が明記されています。また、クロマグロの国際管理を行っている中西部太平洋まぐろ類委員会のWCPFC条約(5条:保存保管の原則)にも、「零細漁業者及び自給のための漁業者の利益を考慮に入れること」と記述されているのです。クロマグロ資源の回復のために漁獲量を削減するのはやむを得ないとしても、小規模伝統的漁業である一本釣りや延縄に配慮して漁獲枠を設定することが国際的に求められているのです。」
日本の大手巻網会社は日本海の産卵場で産卵期のマグロを捕りまくっている。魚が減り、小さくなり、質が落ち、価格が下がっている。
大手巻網の割当だけが優遇されているのは水産庁からの天下り体質の影響もあり、国際的な取り決めにも反している。
マグロに限らず、日本の漁業は世界中で乱獲を非難されてきた。漁獲高は多いが制度やモラルにおいては「獲ったもん勝ち」の後進国だ。
海は世界とつながっている。国際的基準に従い持続的漁業に取り組むべきである。官僚と業界が腐っているなら、それを正すのは正しい報道と民意、政治しかない。
「巻網は高性能の魚群探知機を搭載し、泳いでいるマグロの群れを一網打尽にします。近年、巻網が産卵場で集中的に漁獲を開始してから、伝統的な一本釣りや延縄でめっきりマグロが捕れなくなりました。水産庁は、巻き網以外の漁獲がほぼ途絶えた2015-2016年を基準に漁獲枠を配分したので、小規模漁業への漁獲配分は、過去の実績と比べて著しく小さくなっています。また、現在の漁獲枠配分で固定されると、資源が回復しても、そのほとんどが巻き網に優先的に配分されることになります。小規模零細漁業をないがしろにして、大型漁船に優先的に漁獲枠を配分するのは、国際的な取り決めに反しています。FAOの持続的漁業の行動規範やSGDs 14.bでは、小規模・伝統的漁業者への特別な配慮の必要性が明記されています。また、クロマグロの国際管理を行っている中西部太平洋まぐろ類委員会のWCPFC条約(5条:保存保管の原則)にも、「零細漁業者及び自給のための漁業者の利益を考慮に入れること」と記述されているのです。クロマグロ資源の回復のために漁獲量を削減するのはやむを得ないとしても、小規模伝統的漁業である一本釣りや延縄に配慮して漁獲枠を設定することが国際的に求められているのです。」
日本の大手巻網会社は日本海の産卵場で産卵期のマグロを捕りまくっている。魚が減り、小さくなり、質が落ち、価格が下がっている。
大手巻網の割当だけが優遇されているのは水産庁からの天下り体質の影響もあり、国際的な取り決めにも反している。
マグロに限らず、日本の漁業は世界中で乱獲を非難されてきた。漁獲高は多いが制度やモラルにおいては「獲ったもん勝ち」の後進国だ。
海は世界とつながっている。国際的基準に従い持続的漁業に取り組むべきである。官僚と業界が腐っているなら、それを正すのは正しい報道と民意、政治しかない。