2018年04月10日
北陸オーディオショウ2018

少し前ですが、久々にオーディオイベントに行ってきました。
最も良い音に感じたのが、なんと30年近く前のモデル、B&W801マトリックス。
さすが欧州の主要レーベルで使われてきたクラシック専用モニタースピーカー。
低域から高域までバランスが良く定位が正確、特に低域が軽く自然で、何を聴いても刺激感が少なく優しく柔らかい、いつまでも聴いていたくなるような音...

最新の802Dも聴かせて頂く。
こちらはカチッとした剛性を感じさせる音。高域レンジが広く、一音一音が前へ出て、強く、硬く、重い。
多くのハイエンドスピーカーに感じることだけど、高域の切れ味に比べて低域が重くて、どうしても「オーディオ的」な、これ見よがしな音に聴こえる。
自分は古い801のほうが好みだな...


まあ、凄い造りだとは思う。製作工程を見たことがあるが、これを流れ作業のマスプロで造るのだから凄いメーカーだ。

でも、古い801のほうがデザインも好みだな^^; バスレフチューニングが控えめなところも自然で好印象。
ドイツ・グラモフォンのスタジオではまだこれを使っているそうだ。

タンノイGRFはやや古いフルレンジ的な鳴り方。指向性がやや鋭くて中域にフルレンジっぽい癖があるけどこれは結構好き。安心して聴ける音。

SPENDOR とは懐かしい。ちょっとレトロで奥行き感のある音。ソースはかなり選ぶね...

FOSTEXブースはPCオーディオの解説が中心。
小型スピーカー+サブウーハーの組み合わせは合理的なようで、うまく鳴らすのは難しいなと思った。自分も経験しているけど音の質感が揃いにくい。

ラックスのブースはFOCALのスピーカーでハイレゾやアナログレコードを鳴らしていた。
ベリリウムツイーターに注目したけど、実力が発揮されているとは言い難い。
どうしてもスケール感が不足する気がするが、自分はトールボーイタイプの音が好きではないのかも。


周囲のオーディオ関係の知人の話ではあまり評判のよくない、ヤマハNS-5000。
自分はかなり良いと思った。バスレフ化でどうなるか?と思った低域もしっかり制動していた。
中高域はとても美しく、特にピアノの再現はリアルだった。アンプはSPECのD級だったが、このアンプが良いのかもしれない。


精巧な木組みとピアノ塗装の厚みに驚く。塗り厚が1mmくらいはありそうだ。こういう造りは真似ができない。

この日、最も驚いたのが KisoAcoustics のスピーカーだ。噂には聴いていたが実物を聴くのは初めて。
目をつぶって聴いたら、このサイズのスピーカーが鳴っているとは到底信じられない。
ボーカルもベースもドラムもオーケストラも、とにかくスケールが雄大なのだ。
ギターの構造を模したような造りだが、胴鳴りのような癖のついた音ではなく、極めて自然でレンジも広い。
そして音場感が素晴らしい。この写真のように右スピーカーのさらに外側に立っても、音場は偏ることなくスピーカーの間に自然に定位する。



バッフルと天、地の剛性を高め、側面と背面の薄い単板を鳴らしているようだ。
触ってみると確かに振動を感じるが、音の印象では、板の鳴りを音圧として聴かせているというより、エネルギーの吸収に使っているイメージ。
エンクロージャーをどんなに固めても反響音はバスレフポートを通して遅れて出てくる。板を慣らしてうまく減衰させるのもひとつの方法かもしれない。

ユニットはスキャンスピーク?ツイーターは独自の木製ホーンが付いている。
ネットワークの入ったベースは重量級でガッチリしており、固めるところ、鳴らすところが明解な構造だ。
SPECのアンプも良かったのかもしれないが、この音はオーディオ界に一石を投じるものだと感じた。
スピーカー自作が趣味の自分がもし市販品を購入するならコレかも!と思ったが価格を聞いてびっくり...ペア170万円です^^;
公私ともに慌ただしい日々が続き、久々の息抜き。3時間ほど無心になって音に集中し、良い耳の保養になりました^^;