2017年12月10日
anoのユニットを換装
ずーーーーっとやりたかったことをようやく実行。
anoはデザインだけでなく音場の拡がり方など面白いスピーカーなのだが、ハイ落ちでやや籠もった音でもある。
低域はそこそこ出るが、高域が足りないので聴ける音楽が限られる。ツイーターを足す実験もしたがanoの良さが失われる。
抜本的に改善するにはユニット交換しかない!
元々付いているのは東欧チェコのTVM acoustics ARZ6608 (右)というダブルコーンフルレンジ。製作者の話では、音域バランスを考慮しての選定ということだ。
確かに低域不足になりやすい開放型ではハイ落ちのユニットが向いているが、それにしても高域がおとなしすぎる。
理由ははっきりしている。ダブルコーンは軸上正面では高域も出るが、指向性が極端に狭い。それをすべて反射させる構造なので落ちてしまうのだ。
そこでアルテックの血を引くElectro-Voice 409-8E(左)を使う。平面バッフルでいろいろ試して勝手知ったるユニットだ。
カラッと明るくパーンと前に出るジャズ向きの音。高域が華やかで指向性も広いので、バランスを大きく変えられるはずだ。
どちらも硬いフィックスドエッジで薄く軽いコーン。駆動力も同等だろう。違いは409-8Eが同軸ツイーターを備えた2wayということだ。
スペースに余裕はないが問題なく取り付けられる。
開口穴径もぴったり。ネジ穴はルーズホールになっているので問題ない。
エンクロージャー直前30cmで測定。中低域は似ているが、やはり1kHz以上のレベルに大差がある。指向性が広いので正面での測定値以上に高域のエネルギーが増している。
もちろん音は激変。高域が出て明るく明瞭になり、全体の能率が上がり、音がよく届くようになった。
anoらしい独特の音場ではあるが、カマボコ型の眠さはなくなり、かなり守備範囲が広がった。
元のダブルコーンもまろやかで太く柔らかい音が魅力でもあるが、交換して良かったと思う。
低域は極小バッフルの開放型でも100Hzまでしっかり出ており、90cm角の平面バッフルを上回るほど。このフォルムの合理性がわかる。
とは言ってもかなり独特の音で、使い途が限られるスピーカーではある...
とりあえずアトリエでオープンリール専用スピーカーとしてBGM用にしてみた^^;