2016年09月07日
Amedeo Muscelli 新型アダプター到着!
左が新型の5cmレンズ専用アダプター。右が標準型(併売されるので「旧型」ではないそうです)。
標準型はContaxそのままのデザインだが、新型はスクリューマウントライカのエルマーやズマロン等の鏡胴にそっくり。
標準型はContax規格の内爪と外爪を装備し、標準レンズだけでなく望遠レンズや一部の広角レンズに対応している。
新型はシンプルな内爪の5cmレンズ専用とすることで、Contaxにあった問題点をなくし、ライカレンズに近づけている。
ライカで使う以上、ヘリコイド回転方向がライカ仕様になったことは大きい。これで他のレンズと併用しても混乱することはない。
マウント側にはいずれもデジタルライカに対応する6bitコード刻印付き。すぐにズミルックス50mm/f1.4(旧型)のコードをペイントした。
6bitコードがあるかないかで、ライカMの使い勝手はかなり違う。ISOオートとシャッター速度が適切に制御され、EXIF情報が書き込まれ、撮影絞りも記録される。
周辺光量も多少補正されるが、効果は緩やかなものだ。もちろん、フィルムカメラのライカで使う人には6bitコードは無関係。
新型はヘリコイドを繰り出すとネジが見えてくるところがエルマーそっくりだ。ホコリなどには気をつける必要があるだろう。
標準型はContax同様、ヘリコイドは内部に格納されている。
デザインや精密感、切削の美しさなどでは標準型がやや上かと思う。新型は切削痕がやや目立つ。価格も1.5倍ほど違う。
重量を計ってみた。新型は69g、標準型は82g。思ったより差は小さい。
新型のレンズ着脱レバーは面白い造りだ。取付け、取り外しいずれもレバーを指先で少し倒す。シンプルで確実な構造だが、取付がバネ式でワンタッチなContaxとはちょっと違うので注意。
標準型の着脱レバーはContaxの構造をスマートにした感じ。装着時は回すだけでパチンとはまり、精密感はこちらが上か。
ちなみにソビエト製のキエフはここの精度がいまひとつで、非常に硬かったり緩かったりする。
近接側ストッパーのポッチが、レンズ取外し時の手がかりになるのが便利だ。
エルマーのように無限遠でヘリコイドロックが掛かれば最高だが、コストアップは避けられないだろう。
ちなみに標準型はレンズを外すとアダプターには手がかりがなく、ボディからの着脱はとてもやりにくい。
新型のヘリコイド繰り出しは大きい。なぜなら、最短撮影距離が0.7m(標準型は0.9m)まで縮まっているからだ。
最短1mのエルマーと同じような構造で0.7mまで繰り出すので、ちょっと不思議な感じがする。
1950年代のゾナーを0.7mで使えることは、新型アダプター購入の大きな動機となった。
ライカを使ったことがある人なら、1mと0.7mでは撮れる写真がまるで違うことはわかると思う。
1mではスナップ専用の特殊カメラだが、0.7mまで寄れればライカでほとんどの被写体をカバーすることが出来る。
ヘリコイドレバーは便利だが、ライカ純正レンズに比べると回転角がやや大きく、レバーで操作できるのは1.25mくらいまでだろう。より近接する場合は鏡胴を回せば良い。
クラシックな距離フォントが憎い。
LEICA M-P Opton Zonnar50mm/f1.5
絞りf2.8で最短撮影距離。
ゾナーでここまで寄れるのは感動的だ。距離計連動精度は十分にあると思う。
絞り開放f1.4で最短撮影距離。
さすがに開放では歩留まりが悪いが、合わないわけではない。
ライカ純正のズミルックス35mm/f1.4ASPHでも最短付近では外すことも多い。
このあたりはレンジファインダーの限界に近いのであり、アダプターの精度の問題ではないと思う。
開放f1.5ではフレアが多いが、ピントがうまく合った時は、柔らかさと芯が程良く共存する。
f2に絞るだけで引き締まり、f2.8からはかなりシャープに写る。
ゾナータイプはオールドレンズでありながら、ガウスタイプに比べて非点収差が少なく周辺がグルグルボケにならない。
戦後ゾナーは開放から周辺光量落ちが少なく、流れにくいのも特徴。この点で同時代のニッコールS.Cとは大きな差がある。
iPadのカメラロールでモノクロ化。現代のレンズとは少し違う雰囲気があると思う。
絞り開放から必要十分な解像度と、ほんのりとクラシックな味がゾナーの魅力。
最短0.7mまで寄れることで新たな可能性が見える。
新型アダプターと戦後オプトンゾナーのコンビは使い勝手も描写も最高。
50mmはもうコイツでいいかなーという感じ♪
と言いつつ、安価なキエフ用ジュピターが欲しくなったりする^^;
AmedeoのニコンSマウントバージョンも出るらしく、沼は深いかもしれない....