2016年04月08日
東日流外三郡誌

つがるそとさんぐんし.....縄文から中世にかけて、ここにもうひとつの日本があった.....長く辺境とされてきた東北の寒村に熱狂をもって迎えられた王朝伝説。日本史を根底から塗り替えるような「大発見」を追うひとりの新聞記者による渾身のルポルタージュ。事件の経緯と壮大さ、そして社会的影響はあの旧石器捏造事件にも似ている。どちらも東北の地から生まれたのは偶然ではないかもしれない。そして実際に「本物」である三内丸山遺跡が発見されたことが、こんな虚構にさえロマンを与えている気がする。400ページを超える長編だが、文のテンポと構成が良く臨場感抜群なので休日が1日あれば一気に読める。歴史考古学マニアでなくとも、ミステリーとして読んでも絶対面白い、超お薦めの1冊。