2016年02月10日
イスラーム国の衝撃
イスラーム国の衝撃 /池内恵
普通の日本人にとってイスラーム国についての基本的な理解は、これ1冊でOKといっていいのではないか。 圧倒的な情報量なのだがとてもわかりやすい。
最も重要なのは、イスラーム国という組織や指導者を軍事攻撃で潰したところで、テロはなくならないということ。
イスラーム国にしろアルカイーダにしろ、それを支えているのは人や組織ではなくて、思想なのだ。
誰かの大号令があるわけではない。ひとつの思想のもとに、世界中で自動的にテロが発生するようになっているのだ。
池内恵さんはfacebookでもフォローしているが、中東に関する知の巨人といってもいい。 (茶目っ気やユーモアもある^^;)
この本は中東を知りたい人がまず最初に読むべき教科書だと思う。特に中高校生に読んでもらいたいと思った。実際、かなり売れているそうである。
ただ、池内さんはイスラム研究者ながらイスラムに対する視線が冷たく感じる。おそらく相容れない好敵手?である中田考さんの本も買ったので読み比べてみたい。