2015年12月02日
Biogon21mm/f2.8ZM

超ハイコントラストでシャドウがドスンと落ちるところはBiogonらしいが、海外サイトで調べまくった通り、ライカMtyp240で色かぶりは殆どない。
このレンズが発売されたのは2006年で、エプソンR-D1かライカM8くらいしか無かったから、デジタル対応とは考えにくい。
M6などのフィルムカメラのTTL測光が使えるように対称度を下げたことが、テレセントリックの向上につながっていると想像する。

逆光にもまずまず耐えるが、SWH15mm/f4.5IIIほどではないかも。
全体的にヌメッと高画質なSWHに対して、Biogonはドラマティックな写りをするように思う。
SWHで多かったパープルフリンジがほとんど出ないのは良い。もちろん、歪曲収差はほとんどない。


パノラマ撮影もテスト。
像面湾曲は少なく、遠景の周辺もSWH15mmIIIよりピントは来る。
ただし開放では周辺がかなり甘く、遠景をシャープに撮るならf5.6からが実用域でf8で完全な性能。
SWHは開放こそ甘いがf5.6でほぼピークになり、さらに絞ってもあまり向上しない。
当たり前だが15mmに比べると深度がかなり浅いので、安易な置きピンは危険だ。建築写真でピンぼけを作らないよう注意しないといけない。
また、超広角は露出が暴れがちなので、ISOも露出もオールマニュアルのほうが思った通りの写真が撮れる。何の事はない、フィルムライカそのものの使い方である^^;

絞り開放で最短距離0.5mにて。対称型レンズらしくボケ味は柔らかくて良い。
SWH15mm/f4.5IIIではパンフォーカス撮影にしかなり得ないが、Biogon21mm/f2.8ZMはいろんな使い方が出来そうだ。
絞ってシャープな遠景、開いて寄って立体感を出す...建築の室内撮影でも、背景ボケを活かしたディテール写真などを試してみたい。
15mmと21mm、そして35mmがあれば建築撮影のほとんどはカバーできる。ボディとレンズ3本がビジネストートバックに入ってしまうのがライカだ。

近接描写はかなりシャープだ。15mmに比べれば自然な写りで、一般撮影に十分使えるレベル。
フィルムカメラ時代にはスーパーアンギュロンやズイコーの21mmをよく使ったので、見慣れたパースペクティブである。
フェイク6bitコードによる補正もあり、青空などでなければ周辺光量落ちはさほど目立たない。

鏡胴がちょっと長いので携帯性はいまひとつだが重量は250gと軽量。
ヘリコイドの動きはコシナらしい少し粉っぽい?ものでライカには劣るが悪くない。
絞りのクリック感はライカ以上にカッチリして気持ちが良い。1/3段というのがツァイスブランドのこだわりか。
実はこのコシナツァイス製21mm外付ファインダーを買うのは2度目だ^^;
間違いなく広角ファインダーとして史上最高の見え味であると断言できる。肉眼より明るくコントラストがあり、倍率も高く、視度補正レンズが装着出来るのも素晴らしい。
これを覗くと世界が現実よりも美しく見える。正確さではEVFだが、撮っていて心地良いのは圧倒的に光学ファインダーだ。