ROBERTOHOUSE

    趣味と仕事と日常の徒然
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    2014年03月23日

    HD-1考

    image毎年モデルチェンジして高機能高画質化し「永遠の過渡期」を続けるミラーレス、プロ用に特化し生き残りをかける「斜陽」の一眼レフ。そしてもはや「主流」となったスマートフォン。ユーザーのニーズとやらに応え続けた結果、カメラという道具(≒玩具)はずいぶん選択肢が減ってしまったなあと思う。

    フィルム時代には常時5-10台くらいのカメラを楽しんで使い分けていた自分も、いま持っているデジタルカメラは一眼レフのD600、防水ミラーレスのAW1、そしてiPhone5だけである。これで仕事もプライベートも合理的にカバー出来るのだが、猛烈に「遊び心」に溢れた、とある新製品についての考察(妄想)を。

     




    imageChinon02_800x
    (ネット上から拝借)


    この猛毒!


    まあ一言で言えば、史上初の「オールドレンズが似合うデジタルカメラ」である。
    「オールドレンズ専用デジタルカメラ」と言ってもいい。


    オールドレンズ遊びはフィルム時代から存在し、僕も洗礼を受けた。と言っても正統派?であって、主にライカM2やⅢcにライカエルマーやズミクロン、他にジュピターやアベノンやニッコールといったところだ。ライカ自体がオールドカメラでありユニバーサルマウントであった。レンズ固定機ではローライ35に始まりレチナやカロワイド、シグネットなど。中判ならローライコードやペルケオ、大判でスピグラにエクター。オールドレンズは予想外の描写が得られて楽しかった。35mm一眼レフでは古いレンズをあまり使っていない。建築撮影などの実用機であったし絞りの作動の制約もある。一眼は機能一点張りでビオターやフレクトゴンのように美しいオールドレンズをアダプターで付けても全然似合わなかった。それに一眼レフ用レンズは大きくて何本も持ち歩けない。父にもらったペンタックスS2にソビエト製ミール20mmを付けたくらいだろうか。

    個性的な描写を即時に確認できるデジタル時代になってからはライカRレンズをオリンパスE-5などに付けて遊んだ。アンジェニュー45-90mmなどはうっとりするような描写であったが、画角は半分になってしまった。EOS5Dならフルサイズだが見た目も操作感もまるで似合わない。
     
    ミラーレスカメラが登場して、アダプター遊びの世界は劇的に拡がった。その最終兵器がSONY α7であり、僕もかなり惹かれた。愛用のゾナーF1.5がフルサイズで使える!レンズ沼にドボンしたい!一瞬は萌えた。しかし実際に見て触ってみて、「ごちゃ混ぜ」なフォルムと、「ガチャ、コーン」というけたたましいシャッター音と手のひらに伝わるショック、剛性感のなさに萎えてしまった。ズマールやゾナーにあれは無いだろうと。また最新のスペックを備えるだけに、1、2年で旧式化するであろうことも懸念された。オールドレンズはもう古くなりようがないのだが。

    ひとつわかったのは、レンズの描写も大切だけれど、ボディの操作感や見た目の美しさは絶対に欠かせないということ。マウントアダプター遊びの楽しさはわかるが、「描写さえ楽しめればいい」という原理主義者にはなれない。操作性はFUJIのX-T1が良さそうだが、APS-Cでは中途半端でイメージサークルをぴったり使い切れるレンズはほとんど存在しない。ライカMやM9ならフルサイズで格好もいいが、庶民が手に入れられるものではない。



    imageimage


    ゴタクはともかく、こんな変態レンズを付けて違和感ないってどういうこと?!
     

    CHINON Bellami  HD-1 。 そのスペックを眺めるほど本気(変態)ぶりがわかってくる。

    <Dマウント>
    ターゲットは往年の8mmカメラのDマウントシネレンズである。純正は付属の1本だけで、オールドレンズ前提のカメラだ。他にC、CS、M42マウントアダプターが別売される。もちろんフォーカスも絞りもマニュアル専用だ。こんなデジカメはライカMとエプソンRD1くらいだろう。市場に玉数が多いとは言えないが、Cマウントに比べてずっと安価だ。多くは親指ほどのサイズで精密感も高い。黒いレンズも銀色のレンズも似合いそうなボディの色使いは意図的なものだろう。
    これまでDマウントレンズを使えるデジカメはペンタックスQシリーズのみ。そのためにQを買おうと思ったこともあるが、やはり似合わない。ボディに対してレンズ鏡胴が細すぎるし、中望遠以上になると背面液晶では撮りにくい。

    <標準レンズ :  4mm  F/1.2>
    8mmカメラ用のレンズは6.5mm、13mm、38mmが基本で、4mmという広角レンズは存在しない。昔持っていたフジカの8mmはレンズ固定で結構狭い画角だった。当時は技術的な限界もあったのだろう。4mmという焦点距離をHD-1のセンサーサイズから推測すると、35mm換算で30mm程度の広角レンズとなる。ちょうどiPhoneと似た画角で常用レンズとして使いやすく、F1.2の明るさで夜の室内もいけそうだ。鏡胴を見ると最短撮影距離はなんと0.03mとあるから接写にも強い。レトロなデザインも美しいが実用性が考えられたスペックだと思う。現在は監視カメラ等のCSマウントレンズで2.4mmなんていうのもあるようだ。最新の技術で、当時は出来なかった広角レンズを実現したと言えるかもしれない。SUWAオプトロニクス製か?

    <センサー:  1/3型  1920×1080  =210万画素>
    このカメラ、主に動画用である。フルHDの画素数そのまま。スペックからみて業務用ビデオカメラや、防犯カメラ、ドライブレコーダー用のセンサーだろう。ISO160-12800に対応し、高感度に強いことが予想できる。1/3型というサイズはiPhone5sと同じだがこれは8mm用Dマウントシネレンズのイメージサークルにぴったり対応している。ペンタックスQの1/2.3型は広角系のレンズで四隅がケラれることが多い。
    800万画素のiPhoneに比べて画素ピッチは4倍広く、ニコワンの1インチセンサーと同等だ。しかし210万画素の静止画は実用になるのだろうか。計算するとハガキサイズのプリントはギリギリOKか。PCのモニター画素数にも一致するので、拡大しなければなんとか使えそう。当時の8mmフィルムの粒状性に対応するオールドレンズの解像度に合わせるなら、1920×1080ピクセルで十分なのかもしれない。


    image140307_02


    < EVF :  0.47型  144万画素>
    極小センサーと比べて、なんというアンバランス! 1世代前のミラーレスカメラに匹敵するEVF。ビデオカメラでは10-20万円クラスでも0.24型が普通だ。そもそも家庭用ビデオカメラのほとんどはEVFが無い。 いかにもMF専用らしいスペックだ。そしてHD-1にはEVFの他に液晶モニターが存せず、デジカメらしくないフォルムに貢献している。メニュー設定も画像プレビューもEVFを覗くのである。これは潔い。ライカMで背面液晶を覗きながら撮る姿は滑稽に見える。

    <最高シャッター速度 : 1/10000 >
     家庭用ムービーカメラでは1/2000程度のものが多い。シャッター速度をマニュアル設定することで独特な雰囲気の動画が撮れるらしいが、それよりも8mm用に多いF1.1〜1.9クラスのハイスピードレンズを日中開放で使えることが大きい。動きモノを撮るとローリングは出るかも。
     
    <バッテリー:  単三電池×2>
    これは嬉しい。 もちろんエネループが使える。僕は全てのデジカメがそうなって欲しいと思っている。バッテリーの規格くらい各社合わせるべきだ。このカメラは長くサポートされない可能性が高いと思うが、バッテリーについては安心できる。ニッケル水素電池で静止画300枚撮れる。機械的な動作部分が皆無なのも良い。故障のおそれは少ないだろう。

    <アクセサリーシュー>
    汎用ストロボが使えるホットシューを備える。水準器、光学ファインダー、距離計、マイクなどで遊べる。実用的には接写でLEDライトを使いたい。望遠レンズ+ドットサイトも面白い。もちろんHDMIとUSB端子、AC電源、さらに音声ライン入力もある。こうした拡張性は趣味カメラには必須の機能だ。


    image


    大手メーカーでは絶対不可能な、変態的な企画を本当に実現してしまったのは凄い。レトロなスタイルをモダンに解釈し直したデザイナーも只者ではない。正直、ニコンDfやOM-DのデザインはHD-1の足元にも及ばない。まるでネット上でマニアの意見を集めたかのような仕様だが、ごく少人数のチームで開発されたらしい。チノンだけで作れるカメラではなさそうで、トイカメラの企画で知られるパワーショベルが一枚噛んでいるようだ。中身は本当にトイカメラのレベルかもしれないし、値段は安くはない。カメラライターのレビュー記事も全く出てこない謎のカメラで、買うには勇気が要る。しかしこれほど魅力を感じたデジタルカメラは初めてだ。動画はあまり撮らないんだけど(^^;;


    <追記>

    仕様について気になることがいくつかあったので、CHINONさんにメールで質問してみたら、非常に丁寧な回答が帰ってきた。
    好感度アップ♫ (自分の住所氏名電話番号も示したうえで質問してます)

    要点は以下のとおり。

    ・付属レンズの最短撮影距離は30mmで、そのときの撮影範囲は35mm×60mm →かなりの接写が可能!
    ・Flashair、Eye-fiは基本的に使用可能。 →wifi内蔵していないのでこれは必須!
    ・静止画のオートプレビューは1秒で固定され、OFFには出来ない。単写モードの場合、プレビュー時間内は撮影不可。
     (ただし連写モード時は撮影可能で、2~8枚/秒の設定が可能) →単写時は若干ストレスあるかも...
    ・静止画ファイルでJPEG+DNGの同時記録は出来ない。 →DNGが出力できるだけでも良しとするか...Captureoneで現像出来るから...
    ・EVFの拡大表示機能あり。 →フォーカシングに使えそう。ピーキング表示は無し。
    ・EVFのアスペクト比は4:3で、画像表示が16:9,残りは撮影情報が表示される。
    ・動画撮影時にマニュアル露出とした場合、EVFの画面明るさには露出値が反映される。静止画では反映されない。
    ・付属のDマウントはオプション設定が無いが、個別対応できるよう検討中で価格は2100円の予定。
    ・ファームアップについては、今後、必要に応じて検討する。

    ・マウントアダプターの種類を増やすことも検討している。計画は未定。 →超楽しみ。ライカLマウントとかね!
    ・レンズは日本製、ボディは国外製だが日本でレンズと結合し調整、品質確認と梱包。
    ・非常に多くの予約注文を頂いている。現時点での納期は注文より1週間程度。




    「Bellami&D-Mount」カテゴリの最新記事

      robertohouse │コメント(8) 
      Bellami&D-Mount 

      コメント一覧

      8. Posted by Roberto   2014年03月24日 15:52
      kouさん
      なるほど、参考になります。測距点は自分の場合ほとんど中央1点なので気にならないかも。
      カメラとしてのデザインや操作性はα7より上でしょうね!α7はフルサイズセンサーであの値段というのが凄いですが。
      7. Posted by kou   2014年03月24日 13:00
      操作性のことで言うと、AFの測距点切替の時に、いちいち専用ボタンを押すアクションがとても面倒です。(コレ全フジ機共通です)

       各種ボタンの押し込み具合などフィーリングは全体的に良くなりましたが、まだニコンの上級クラスに比べると負けていますかね。。D4などのニコンのモノ作りは、やはり細かいところまで優れてると改めて感じました。
       
      ちなみに十字キーにあたるボタンの押し込み具合は店頭在庫の初期ロットと、現行ですでに変わっています。(良くなってる笑)

      その他デザインは、私には最高にハマりました。この点で、α7より高い値段のカメラを買った価値はあると納得しています。
      6. Posted by Roberto   2014年03月24日 10:34
      kouさん
      X-T1ですか!いいですねー。きっと操作性は最高でしょう。(まだ触ったことがありません)
      ミラーレスなら今はFUJIがいいと思うのですが、一眼とかぶりますし、両方もつ財力も一眼を手放す勇気もまだありません...

      ガソリンスタンドの給油機ですか?確かに...


      5. Posted by kou   2014年03月24日 10:03
      チノンかっこいけど、私の中ではガソリンスタンドのアレにもちょっと似てるような気がしてます・・・
      X-T1買いましたが、いいっす。
      4. Posted by Roberto   2014年03月24日 07:34
      あら、NDさんOM-D撤退ですか?
      MFT陣営はFTのやめ方が悪かった。FUJIは継続的にやってくれるのか。SONYはAPSとフルサイズのどちらで行くのか。ニコワンはいつまでもつのか。キャノンはやる気あんのか!
      ミラーレス機は永遠の過渡期、いや永遠に未完成なのかもしれません。もはや物欲を刺激出来るかどうか、ですね。
      3. Posted by novel-design   2014年03月24日 01:05
      >毎年モデルチェンジして高機能高画質化し「永遠の過渡期」を続けるミラーレス

      まったくその通りですね。
      いつになったら安心できるのか、いつまでたっても完成しないレンズのロードマップを待つのも疲れました。
      オリの7-14mmF2.8には後ろ髪引かれる思いがありますが、それとて出るのは2015年以降とあくまで未定のような予定。。。
      正直、富士のXT-1を触ったら、使い勝手では完全に負けてしまっていて、やたらと同じようなカメラを増やす暇があったら、本気の一台が見たかったです。
      2. Posted by Roberto   2014年03月23日 16:57
      めちゃ欲しいです。書くだけならタダです。
      これを買うのは真の意味でヒトバシラーと言えるでしょう、、、

      機能を削ぎ落としてターゲットを絞ることで魅力を増したプロダクトの好例だと思います。
      カメラ産業崩壊の序曲と言えるかもしれませんが。
      1. Posted by キタさん   2014年03月23日 16:29
      おや?
      まさか行くんですか?
      行っちゃうんですか…?

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