2009年03月18日
謎めいたスピーカー
未体験の出来事の連続で、途方に暮れている...
僕はトンデモナイものを作っちゃったのかもしれない...
まずはそのまま、フルレンジで鳴らしてみた。
片チャンネルをつないで音が出た瞬間「アレ?」と思った。
現行2wayと比べて音が小さい!
この理由はすぐにわかった。 ラインアレイは、ニアフィールドでは音が小さいのだ。
5m離れて聴くと、音量はウーハー2220Hをむしろ上回っている。
距離減衰が少ないのは本当だった。 部屋のどこでも同じような音量なのだ。
爆音で鳴らしても、ホーンやウーハーの前では耐えられないほどなのに、ラインアレイ・ユニットに耳を付けてもそれほどでもない。
実はこれは教科書通りで、線音源は点音源の半分(dB)しか距離減衰しない。
近距離のレベルが相対的に小さくマイクのハウリングが少ないという、PAにおけるラインアレイの売り文句そのままである。
それはそうなのだが、実に不思議な体験だった。
そして何より驚いたのは、反射音が信じられないほど激減したことだ。
この部屋は反射音が特に多く、スピーカーと一緒に空間全体が鳴る感じがあった。 これが大きな欠点でもあり、特徴でもあった。
これまでのスピーカーが反射音90%、直接音10%だとすると、
ラインアレイは反射音30%、直接音70%という感じだ。 あくまで感覚的な話だが。
スピーカーの周囲だけが異様にデッドになったような錯覚があるのだ。
もちろんこれがラインアレイのメリットで、それを狙ったのではあるが...
これまでずっと残響に包まれるように聴いていたわけで、新築の家に引っ越したかのような違和感がある。
これは強烈な個性をもった怪物かもしれない。
FE83E×6発の「オベリスク」には、そこまでの個性は無かった。
ユニットやエンクロージャーのクオリティを云々する以前に...
常識的なスピーカーとは全く異質なものになってしまったのか?
壮大なる失敗作になるのか? 小学校の体育館にでも寄付するか?
いやいやまだ早い!
まだ慣れないが 部屋の残響音が激減したことに新たな可能性を感じた。
大音量でも飽和せず、小音量でも聴き取りやすいのだ。
まだエージング・ゼロの状態だが、音質そのものは思ったより素直である。
ボーカルやアナウンスは残響が抑えられるせいか、ギョッとするほど明瞭で距離も近づいた感じ。
当然ながら単体では低音も高音もあまり伸びない。
聴感では200Hz以下、2kHz以上がダラ下がり、中高域に何カ所かピークあり、という感じ。 レンジは狭いが、密閉らしく中低域の締まりと速さが印象的だ。
とりあえずラインアレイをスルー接続し、ホーンを5kHz、ウーハーを300Hzあたりから足してみた。 セッティングはリスポジからの距離が同じになるようにした。
ラインアレイの能率は、なんと2220Hウーハーをやや上回っている感じだ。
ダイアナ・クラールを聴くとボーカルがリアルで良く通るが、低域の厚みがちょっと不足している。
クラシックも案外聴けるが、やや腰高。 中高域にちょっと歪み感があるせいだろうか。
ロック、ポップスはこのままでもOKなくらいで、これまでにないパンチのある明瞭な音が飛んでくる。
とにかく残響が激減しているので、何を聴いても現行2wayとは違いすぎて評価が難しい。
第一印象としては、フルレンジ・スルーで使うより、帯域を絞ってホーンとウーハーに受け渡した方が良いような気がした。
低音はサブウーハー的に低めで使うと質感に違和感が出そうだ。 中高域はなるべくホーンを使いたい。
距離減衰や指向性が他のユニットと極端に違うので、クロスオーバーは難航しそうだ。
セッティングでもコロコロ変わるだろう。 205?8Aはエイジングによる変化も大きい。 バイアンプやマルチを試す手もある。
これは長い長い旅になるだろう...幾多の困難が待ち受ける...楽しみ
僕はトンデモナイものを作っちゃったのかもしれない...
まずはそのまま、フルレンジで鳴らしてみた。
片チャンネルをつないで音が出た瞬間「アレ?」と思った。
現行2wayと比べて音が小さい!
この理由はすぐにわかった。 ラインアレイは、ニアフィールドでは音が小さいのだ。
5m離れて聴くと、音量はウーハー2220Hをむしろ上回っている。
距離減衰が少ないのは本当だった。 部屋のどこでも同じような音量なのだ。
爆音で鳴らしても、ホーンやウーハーの前では耐えられないほどなのに、ラインアレイ・ユニットに耳を付けてもそれほどでもない。
実はこれは教科書通りで、線音源は点音源の半分(dB)しか距離減衰しない。
近距離のレベルが相対的に小さくマイクのハウリングが少ないという、PAにおけるラインアレイの売り文句そのままである。
それはそうなのだが、実に不思議な体験だった。
そして何より驚いたのは、反射音が信じられないほど激減したことだ。
この部屋は反射音が特に多く、スピーカーと一緒に空間全体が鳴る感じがあった。 これが大きな欠点でもあり、特徴でもあった。
これまでのスピーカーが反射音90%、直接音10%だとすると、
ラインアレイは反射音30%、直接音70%という感じだ。 あくまで感覚的な話だが。
スピーカーの周囲だけが異様にデッドになったような錯覚があるのだ。
もちろんこれがラインアレイのメリットで、それを狙ったのではあるが...
これまでずっと残響に包まれるように聴いていたわけで、新築の家に引っ越したかのような違和感がある。
これは強烈な個性をもった怪物かもしれない。
FE83E×6発の「オベリスク」には、そこまでの個性は無かった。
ユニットやエンクロージャーのクオリティを云々する以前に...
常識的なスピーカーとは全く異質なものになってしまったのか?
壮大なる失敗作になるのか? 小学校の体育館にでも寄付するか?
いやいやまだ早い!
まだ慣れないが 部屋の残響音が激減したことに新たな可能性を感じた。
大音量でも飽和せず、小音量でも聴き取りやすいのだ。
まだエージング・ゼロの状態だが、音質そのものは思ったより素直である。
ボーカルやアナウンスは残響が抑えられるせいか、ギョッとするほど明瞭で距離も近づいた感じ。
当然ながら単体では低音も高音もあまり伸びない。
聴感では200Hz以下、2kHz以上がダラ下がり、中高域に何カ所かピークあり、という感じ。 レンジは狭いが、密閉らしく中低域の締まりと速さが印象的だ。
とりあえずラインアレイをスルー接続し、ホーンを5kHz、ウーハーを300Hzあたりから足してみた。 セッティングはリスポジからの距離が同じになるようにした。
ラインアレイの能率は、なんと2220Hウーハーをやや上回っている感じだ。
ダイアナ・クラールを聴くとボーカルがリアルで良く通るが、低域の厚みがちょっと不足している。
クラシックも案外聴けるが、やや腰高。 中高域にちょっと歪み感があるせいだろうか。
ロック、ポップスはこのままでもOKなくらいで、これまでにないパンチのある明瞭な音が飛んでくる。
とにかく残響が激減しているので、何を聴いても現行2wayとは違いすぎて評価が難しい。
第一印象としては、フルレンジ・スルーで使うより、帯域を絞ってホーンとウーハーに受け渡した方が良いような気がした。
低音はサブウーハー的に低めで使うと質感に違和感が出そうだ。 中高域はなるべくホーンを使いたい。
距離減衰や指向性が他のユニットと極端に違うので、クロスオーバーは難航しそうだ。
セッティングでもコロコロ変わるだろう。 205?8Aはエイジングによる変化も大きい。 バイアンプやマルチを試す手もある。
これは長い長い旅になるだろう...幾多の困難が待ち受ける...楽しみ
コメント一覧
4. Posted by Roberto 2009年03月18日 19:56
タックさん
205?8Aがエージングでかなり変わるのはよくわかっています。
最初は伸びやかさがなく、カサつくんです。 先に実験したユニットの場合、1週間鳴らすと落ち着きました。
とりあえず調整自在のネットワークボードは作りました。
最初の1週間はエージング鳴らしと測定をメインにします。
同時に耳もエージングされるでしょう(笑
205?8Aがエージングでかなり変わるのはよくわかっています。
最初は伸びやかさがなく、カサつくんです。 先に実験したユニットの場合、1週間鳴らすと落ち着きました。
とりあえず調整自在のネットワークボードは作りました。
最初の1週間はエージング鳴らしと測定をメインにします。
同時に耳もエージングされるでしょう(笑
3. Posted by タック 2009年03月18日 18:57
この手のユニットは目覚めるまで暫く時間がかかると思いますよ。エッジやダンパーが馴染んできてスムーズなピストン運動をするようになってくると、もう少しレンジ感も広がり音が伸びやかになてくるものと思います。先ず、最初の1週間くらいは敢えて調整はせずに色んなジャンルをガンガン鳴らすと良いでしょう。ユニットが目覚めて音が安定してきてから調整しないと失敗しますよ。
2. Posted by Roberto 2009年03月18日 17:20
FDさん
>一発目の音出しでは難儀されているようですが、
実はガッチリと6dB/octネットワークを組んでみましたら、思いのほか普通に鳴ってしまいました(^^;)
いまクラシックがそれなりに鳴っていますが、普通すぎるような気も...
どうやら205?8Aの中高域をどこで切るかが鍵みたいな気がします。
「ストライクゾーンぎりぎりの出し入れ」ってやつかもしれません。
>一発目の音出しでは難儀されているようですが、
実はガッチリと6dB/octネットワークを組んでみましたら、思いのほか普通に鳴ってしまいました(^^;)
いまクラシックがそれなりに鳴っていますが、普通すぎるような気も...
どうやら205?8Aの中高域をどこで切るかが鍵みたいな気がします。
「ストライクゾーンぎりぎりの出し入れ」ってやつかもしれません。
1. Posted by FD 2009年03月18日 16:56
こんにちは。
あっという間に仕上げて仕舞いましたね。
オーディオに対する熱意を感じます。
一発目の音出しでは難儀されているようですが、視聴位置での測定をもとにしてパライコを駆使すれば、何とかまとまらないでしょうか?
遠目では細い板で支えているように見えるデザインも良い感じですね?。
あっという間に仕上げて仕舞いましたね。
オーディオに対する熱意を感じます。
一発目の音出しでは難儀されているようですが、視聴位置での測定をもとにしてパライコを駆使すれば、何とかまとまらないでしょうか?
遠目では細い板で支えているように見えるデザインも良い感じですね?。