2009年03月13日
リスニングルーム

「石井式リスニングルーム」の本が出たので買ってみた。
趣味と実益である

オーディオやホームシアターのような、小規模空間の音響設計指南書は皆無である。
音楽ホールやスタジオの設計技術はオーディオにも応用できるが、それだけでは足りない。
石井氏は元テクニクスのエンジニアで、リニアフェイズスピーカーやパラメトリックイコライザの開発者だそうだ。
エンジニアらしい理詰めと膨大な実験による貴重な情報が詰まっている。
設計・デザインの手法はともあれ、鏡像位置と低音の吸音を重視するコンセプトは納得できる。
少なくともオーディオ雑誌の1000倍くらい内容が濃い。 部屋の設計をする人でなくても勉強になる本だと思う。
部屋はスピーカーの外部エンクロージャーである。
音への影響は、部屋90%、スピーカー9%、アンプやプレーヤーは1%以下だろう。 アクセサリーの類は0.01%の世界だ...
オーディオを意識させない、でもマニア心をくすぐるようなリビングルームを設計してみたい。
ちなみにdueアトリエは音響は何ら考慮されていないが、石井理論の縦・横・高さの比率にほとんどぴったりである(偶然!)
空間が大きく、天井が高く、壁間距離が長く、床はコンクリートで全反射だが天井は筒抜けで、普通の部屋で問題になる100Hz以下の低音には癖がない。
中低域の反射を抑え込めば良い音になる可能性は持っており、そのためのラインアレイ計画である。
ところで僕個人としては「オーディオ専用室」という空間は苦手。 (端から見れば独房...)
そんなものを持ったら出て来られなくなる


富山のM邸。
広さ30帖、天井高さ5.5mの大空間。
30cm厚のコンクリートによる遮音、イタリアンスタッコ仕上げの壁、コンクリート直貼りの無垢フローリング。 天井裏に中?低周波の吸音構造を採用。
話し声の響きが自然なので、本格オーディオを置いてもきっと良い音がするのでは?
