2008年11月28日
カセットデンスケ TC-D5M
SONY カセットデンスケ TC-D5M 1980-2005年まで販売 定価105,000円(当時)
正直に言いましょう。
カセットデッキが欲しかったのではなく、これが欲しかったのです。
シャープなエッジのきいた金属ボディに、しっとりとした黒塗り。
高精度なメーター、美しいツマミのローレット、丁寧で品の良い文字印刷。
その雰囲気は往年のマニュアルカメラ、ライカM型やキャノン旧F-1、オリンパスOM-1等の軍艦部を彷彿させます。
まだ「ソニータイマー」が内蔵される以前(笑)ニッポン・オーディオ全盛期の1980年に発売されました。
そしてなんと2005年まで四半世紀に渡って販売されたという、驚異的なロングセラー機。
基本的には生録機材ですが、据え置きデッキとしても一級品の実力を持っているそうです。
とてもコンパクトなので、「オーディオ機器が1台増えた感じがしない」ところがgoodです。
高性能を小さなボディに詰め込んだ凝縮感がたまりません。
電池室の開閉部分の金属工作など、まるでM型ライカのようです。
入出力端子は金メッキで劣化がなく、実用性ばっちり。
ACアダプターはトランスを使った大型のもの。 DC-INに差すと自動的に電池から切り替わるようです。
TC-D5MのM”はメタルテープの略称。 高域特性の良いメタルテープを使えるポータブルレコーダーは希少です。 もちろん、ドルビーNRも装備。
古き良き時代の、メカトロニクスの結晶、しかし古過ぎないところがいいですね...
かなりの美品ですが、まあまあの値段で落とすことが出来ました。
メインスピーカーが絶好調で使用頻度が減ってきたNS-1classicsを売却して捻出...
動作も全く問題ありませんが、可能なうちにオーバーホールに出そうと思います。
まずはミュージックテープを再生。
内蔵モニタースピーカーは思ったより良い音。 ヘッドフォンで聴くとCDと変わらぬ音が聞こえてきました。
さていよいよ、手持ちのメタルテープで録音→再生!
まずはCDのダビング。 ジェーン・モンハイトの優秀録音盤でチェック。
驚愕の高音質!
もちろん、大音量でじっくり聴けばわずかに音質の劣化はあります。
音の角が少し丸くなり、高域レンジはやや狭くなり、セパレーションが低下して音場が縮小される感じがわかります。
しかし、その劣化の方向性が良いのですね。
デジタルのMP3圧縮では、高域の情報がズタズタにされ、軽薄で耳障りなシャカシャカした音に聞こえます。
しかしデンスケの場合、むしろ音が濃密になったかのように錯覚します。
これをアナログ感というのか? 角の取れ方が美しく、なんとも形容し難いまろやかさが出てきます。
同じ劣化でも、ipodの圧縮とは全然違う方向性。 一種のエフェクターのような効果さえ感じます。
これはいける!と思いつき、LPレコードからダビングしてみました。
ただコピーするのではつまらないので、真空管プリアンプを通して、ソフトに足りない部分を補ってみました。
大好きなアンドレ・プレヴィンの”KING SIZE”
1950年代の好録音ですが、右チャンネルのバスドラムがやや弱く、左のベースは膨らみがち。 シンバルも少しキレを足したい。 これを左右独立トーンコントロールを利用して聴感で補正し、デンスケに入力します。
さらにプリアンプの入力ボリュームとデンスケの録音レベルを調整することで、歪み感をコントロール出来ます。
真空管のソフトクリップ特性を利用して、ギリギリ最大の入力レベルを突っ込みます。
デンスケのレベルメーターはものすごく反応が良いので、かなりシビアに追い込めます。
ちょっとオーバーしても、デジタル録音の±0dB超えのような嫌な歪み方はしません。
デンスケのアナログ的操作感はシンプルで心地よいものです。
こうして出来たデンスケ・リマスタリング・テープを、メインシステムでバリバリ慣らしますと....
素晴らしい....
濃密で暖かく、分厚く力強いジャズが聞こえてきます。 なおかつ耳あたりの良い、疲れない音。
当時の時代感は残したまま、生々しさがアップしたような錯覚があります。
原音より良くなることはあり得ない? でも、最新のハイファイサウンドとは違う次元で「好きな音」になりました。
LP、FM、CD、ネットラジオなどいろんな音源を雑多に楽しみますが、テープデッキは音作りに使えそうです。
CDでも、特に古いリマスタリングではバランスの悪いものも多いのです。
FMのように長時間ものは、マスターを編集の楽なデジタルで録り、プリアンプで整えてアナログコピー。
あとはテープをそのまま聴くのも良し、必要に応じて再デジタル化しても良いのです。
真空管機器やテープの特性をエフェクターとして利用しているわけで、僕のオーディオは異端かもしれませんが.....こうして自分好みの音を創り出すことが、趣味のオーディオだと思うんですよね。
さて、メタルテープをかき集めなくては!
正直に言いましょう。
カセットデッキが欲しかったのではなく、これが欲しかったのです。
シャープなエッジのきいた金属ボディに、しっとりとした黒塗り。
高精度なメーター、美しいツマミのローレット、丁寧で品の良い文字印刷。
その雰囲気は往年のマニュアルカメラ、ライカM型やキャノン旧F-1、オリンパスOM-1等の軍艦部を彷彿させます。
まだ「ソニータイマー」が内蔵される以前(笑)ニッポン・オーディオ全盛期の1980年に発売されました。
そしてなんと2005年まで四半世紀に渡って販売されたという、驚異的なロングセラー機。
基本的には生録機材ですが、据え置きデッキとしても一級品の実力を持っているそうです。
とてもコンパクトなので、「オーディオ機器が1台増えた感じがしない」ところがgoodです。
高性能を小さなボディに詰め込んだ凝縮感がたまりません。
電池室の開閉部分の金属工作など、まるでM型ライカのようです。
入出力端子は金メッキで劣化がなく、実用性ばっちり。
ACアダプターはトランスを使った大型のもの。 DC-INに差すと自動的に電池から切り替わるようです。
TC-D5MのM”はメタルテープの略称。 高域特性の良いメタルテープを使えるポータブルレコーダーは希少です。 もちろん、ドルビーNRも装備。
古き良き時代の、メカトロニクスの結晶、しかし古過ぎないところがいいですね...
かなりの美品ですが、まあまあの値段で落とすことが出来ました。
メインスピーカーが絶好調で使用頻度が減ってきたNS-1classicsを売却して捻出...
動作も全く問題ありませんが、可能なうちにオーバーホールに出そうと思います。
まずはミュージックテープを再生。
内蔵モニタースピーカーは思ったより良い音。 ヘッドフォンで聴くとCDと変わらぬ音が聞こえてきました。
さていよいよ、手持ちのメタルテープで録音→再生!
まずはCDのダビング。 ジェーン・モンハイトの優秀録音盤でチェック。
驚愕の高音質!
もちろん、大音量でじっくり聴けばわずかに音質の劣化はあります。
音の角が少し丸くなり、高域レンジはやや狭くなり、セパレーションが低下して音場が縮小される感じがわかります。
しかし、その劣化の方向性が良いのですね。
デジタルのMP3圧縮では、高域の情報がズタズタにされ、軽薄で耳障りなシャカシャカした音に聞こえます。
しかしデンスケの場合、むしろ音が濃密になったかのように錯覚します。
これをアナログ感というのか? 角の取れ方が美しく、なんとも形容し難いまろやかさが出てきます。
同じ劣化でも、ipodの圧縮とは全然違う方向性。 一種のエフェクターのような効果さえ感じます。
これはいける!と思いつき、LPレコードからダビングしてみました。
ただコピーするのではつまらないので、真空管プリアンプを通して、ソフトに足りない部分を補ってみました。
大好きなアンドレ・プレヴィンの”KING SIZE”
1950年代の好録音ですが、右チャンネルのバスドラムがやや弱く、左のベースは膨らみがち。 シンバルも少しキレを足したい。 これを左右独立トーンコントロールを利用して聴感で補正し、デンスケに入力します。
さらにプリアンプの入力ボリュームとデンスケの録音レベルを調整することで、歪み感をコントロール出来ます。
真空管のソフトクリップ特性を利用して、ギリギリ最大の入力レベルを突っ込みます。
デンスケのレベルメーターはものすごく反応が良いので、かなりシビアに追い込めます。
ちょっとオーバーしても、デジタル録音の±0dB超えのような嫌な歪み方はしません。
デンスケのアナログ的操作感はシンプルで心地よいものです。
こうして出来たデンスケ・リマスタリング・テープを、メインシステムでバリバリ慣らしますと....
素晴らしい....
濃密で暖かく、分厚く力強いジャズが聞こえてきます。 なおかつ耳あたりの良い、疲れない音。
当時の時代感は残したまま、生々しさがアップしたような錯覚があります。
原音より良くなることはあり得ない? でも、最新のハイファイサウンドとは違う次元で「好きな音」になりました。
LP、FM、CD、ネットラジオなどいろんな音源を雑多に楽しみますが、テープデッキは音作りに使えそうです。
CDでも、特に古いリマスタリングではバランスの悪いものも多いのです。
FMのように長時間ものは、マスターを編集の楽なデジタルで録り、プリアンプで整えてアナログコピー。
あとはテープをそのまま聴くのも良し、必要に応じて再デジタル化しても良いのです。
真空管機器やテープの特性をエフェクターとして利用しているわけで、僕のオーディオは異端かもしれませんが.....こうして自分好みの音を創り出すことが、趣味のオーディオだと思うんですよね。
さて、メタルテープをかき集めなくては!
コメント一覧
4. Posted by Roberto 2008年12月02日 17:56
kchanさん
メタルテープ、落札しまくってます{力こぶ}
デンスケは本当にいい音がします{ラブ}
メタルテープ、落札しまくってます{力こぶ}
デンスケは本当にいい音がします{ラブ}
3. Posted by Kchan 2008年12月02日 11:39
こんにちは。
あぁ、デンスケだったんですね。これまた懐かしいですね。ボクは使う機会がありませんでしたけど、生録とかされた方多いんでしょうね。
#メタルは地元ではほぼ全滅です。頼りはオークション辺りでしょうか…。
あぁ、デンスケだったんですね。これまた懐かしいですね。ボクは使う機会がありませんでしたけど、生録とかされた方多いんでしょうね。
#メタルは地元ではほぼ全滅です。頼りはオークション辺りでしょうか…。
2. Posted by Roberto 2008年11月29日 00:16
でくのさん
僕もPC録音はすべてwaveで、NASに大量に入れています。
圧縮音源はどうしても苦手。 疲れます。
ネットラジオも真空管アンプとビンテージスピーカーで角を落として(?)聴いています。
このデンスケの音は凄いです。
CD音源のダビングでも劣化は本当にわずかで、聴き疲れしない素晴らしい音。
決してノスタルジーではないですね、良い買い物をしました。
僕もPC録音はすべてwaveで、NASに大量に入れています。
圧縮音源はどうしても苦手。 疲れます。
ネットラジオも真空管アンプとビンテージスピーカーで角を落として(?)聴いています。
このデンスケの音は凄いです。
CD音源のダビングでも劣化は本当にわずかで、聴き疲れしない素晴らしい音。
決してノスタルジーではないですね、良い買い物をしました。
1. Posted by でくの 2008年11月28日 23:04
ああ?^^;
良い時代でしたねぇ、、、、、。
私も、デンスケ担いで生録とか行った覚えがあります。
もっと、でかくて重たいやつでしたけど^^;
自分自身はYAMAHAのK1という10万円ほどのカセットで、TRIOのチューナーから生録しまくってました。
オーディオコンポが貧乏学生のステータスだった時代でしたね^^
PCでのエアチェックはwaveの圧縮無しで録音しています。
ヘッドフォンで比較すると、圧縮音源との差は歴然、appleのロスレスでさえ、waveと比較すると劣化して聞こえますね、、、、。
良い時代でしたねぇ、、、、、。
私も、デンスケ担いで生録とか行った覚えがあります。
もっと、でかくて重たいやつでしたけど^^;
自分自身はYAMAHAのK1という10万円ほどのカセットで、TRIOのチューナーから生録しまくってました。
オーディオコンポが貧乏学生のステータスだった時代でしたね^^
PCでのエアチェックはwaveの圧縮無しで録音しています。
ヘッドフォンで比較すると、圧縮音源との差は歴然、appleのロスレスでさえ、waveと比較すると劣化して聞こえますね、、、、。