2008年02月29日
第一志望
甥っ子が高校に合格したそうだ。
かなり厳しかった第一志望校にチャレンジしての突破ということで、その度胸、努力に頭が下がる。
ついこの前生まれたと思っていたのにね...
自分のことを思い出した。
すべて昨日のことのように。
僕は中3になるまで家で机に向かったことがなかった。
急に猛勉強を始めて志望校も射程に入ったかと思ったが、安全圏を薦められ、僕も中学浪人が怖くなって1ランク落とした。 リスクを冒すだけの強い動機がなかったのだ。
(当時は倍率1.1倍程度になるよう、中学間で人数調整が行われていたらしい)
おかげで受験はラクだった。 そのせいでもないが、高校はつまらなかった。
学校で好きなことは見つからず、目立たない生徒だった。 部活も生徒会も行事にも消極的で、楽しい記憶はあまりない。
大学受験もうまくいかなかった。
ようやく引っ掛かったところは自分にとって「東京にあることだけが魅力」だった。
案の定、大学はつまらなくて落ちこぼれかけた。そこにいることに誇りも自負も持てなかった。
「好きなことしか一生懸命できない」 悪癖が災いしていた。
第一志望に縁がなかった。 いや、確たる「志望」すらなかったのかもしれない。何もかも不完全燃焼だった。
20歳の頃には、気が狂いそうに悩んだ。
自分は自分であるはずだ。では自分とは何か、自分でなければならないものはあるのか、自分は何のために存在するのか、社会に対してどんな売り物があるのか。
勉強にも身が入らず、まわりにどんどん追い抜かれていく気がした。
そこへ、誰のアドバイスでもなく、「天から降ってきた」のがケンチクだった。
何の知識もないのに、まるで取り憑かれたようだった。
そして22歳の春、新天地となった会社と夜間大学は「正真正銘の第一志望」だった。
尊敬すべき優秀な先輩と志高き友人に囲まれ、誇りと自信とエネルギーに満ちた毎日が始まった。
甥っ子がこの気持ちをいま味わうのなら、心からおめでとうといいたい。
それ以来、僕は常に第一志望だけ、好きなことだけを一生懸命やって暮らしている。
学生時代の無為の生活に意味があったのか、なかったのかはわからない。
かなり厳しかった第一志望校にチャレンジしての突破ということで、その度胸、努力に頭が下がる。
ついこの前生まれたと思っていたのにね...
自分のことを思い出した。
すべて昨日のことのように。
僕は中3になるまで家で机に向かったことがなかった。
急に猛勉強を始めて志望校も射程に入ったかと思ったが、安全圏を薦められ、僕も中学浪人が怖くなって1ランク落とした。 リスクを冒すだけの強い動機がなかったのだ。
(当時は倍率1.1倍程度になるよう、中学間で人数調整が行われていたらしい)
おかげで受験はラクだった。 そのせいでもないが、高校はつまらなかった。
学校で好きなことは見つからず、目立たない生徒だった。 部活も生徒会も行事にも消極的で、楽しい記憶はあまりない。
大学受験もうまくいかなかった。
ようやく引っ掛かったところは自分にとって「東京にあることだけが魅力」だった。
案の定、大学はつまらなくて落ちこぼれかけた。そこにいることに誇りも自負も持てなかった。
「好きなことしか一生懸命できない」 悪癖が災いしていた。
第一志望に縁がなかった。 いや、確たる「志望」すらなかったのかもしれない。何もかも不完全燃焼だった。
20歳の頃には、気が狂いそうに悩んだ。
自分は自分であるはずだ。では自分とは何か、自分でなければならないものはあるのか、自分は何のために存在するのか、社会に対してどんな売り物があるのか。
勉強にも身が入らず、まわりにどんどん追い抜かれていく気がした。
そこへ、誰のアドバイスでもなく、「天から降ってきた」のがケンチクだった。
何の知識もないのに、まるで取り憑かれたようだった。
そして22歳の春、新天地となった会社と夜間大学は「正真正銘の第一志望」だった。
尊敬すべき優秀な先輩と志高き友人に囲まれ、誇りと自信とエネルギーに満ちた毎日が始まった。
甥っ子がこの気持ちをいま味わうのなら、心からおめでとうといいたい。
それ以来、僕は常に第一志望だけ、好きなことだけを一生懸命やって暮らしている。
学生時代の無為の生活に意味があったのか、なかったのかはわからない。
コメント一覧
4. Posted by くらびぼー 2008年03月02日 00:24
羨ましいよ。
僕は、大学入試にすっころんで以来、ずっと流転を重ね、何とか身の置き場所を見つけたときは、20年が経っていた。でも、その間の自分を無駄だったとは思わない。今の生活のありがたさを理解するための基礎になっているから。物事の大切さは、相応の代償を払わないと判らないのだろうと最近しみじみ思う。僕の場合、代償が大きすぎたとも感じるけれど、それは僕の能力だったのだろうね。
もう一つ最近強く感じるのは、”師”と”先輩”との意味。この二者とのご縁で、人生決まってしまう様な気がする。
僕は、大学入試にすっころんで以来、ずっと流転を重ね、何とか身の置き場所を見つけたときは、20年が経っていた。でも、その間の自分を無駄だったとは思わない。今の生活のありがたさを理解するための基礎になっているから。物事の大切さは、相応の代償を払わないと判らないのだろうと最近しみじみ思う。僕の場合、代償が大きすぎたとも感じるけれど、それは僕の能力だったのだろうね。
もう一つ最近強く感じるのは、”師”と”先輩”との意味。この二者とのご縁で、人生決まってしまう様な気がする。
3. Posted by kona 2008年03月01日 07:49
よい話を聞けました。Robertさんが充実しているのはブログからよく伝わってきます。どんな仕事でも人生でもあるいみ命をかけないとしっかりした結果は付いてきませんからね。
振り返って自分を見ると、私自身は中学生&高校生時代はかなり一生懸命お勉強していました。高校は第一志望。しかし、大学は第一志望は最後の最後にやめて第二志望でした。それでやはり6年間の大学生活のうちに4年間は無為に過ごしました。で、4年目の後半にこれではだめだと思い直してまじめになり、当時は就職はそのまま大学となるので最も厳しいと言われるところに就職。40前までは命がけのつもりで働いてきました。しかし、今はもう命はかける気はなくなったなぁ??。真剣に、しかし半歩退いて、自分の実力に対する正当な対価を受け取るプロフェッショナルな仕事をすることを心がけています。もちろん、なめられないようにプレゼンスを示し続けるのはプロとしていつも意識しています。
でももう50近く。仕事以外でいろいろ(ほとんど自転車関連ですが)したいことがあって、それを優先したい。そんな気持ち。といいながら、そうじゃない仕事がたくさんふってくるんですよね。ここは雇われる身の辛いところです。
ところで、私の長男も第一志望の高校に無事合格しました。私がたきつけたわけでもないし、受験勉強にタッチすることも全くなかったのですが、中一からしっかりと目指してきた高校に合格した彼の十五歳の試練の過ごし方に親ながらよくやったなと思った親ばかです。
振り返って自分を見ると、私自身は中学生&高校生時代はかなり一生懸命お勉強していました。高校は第一志望。しかし、大学は第一志望は最後の最後にやめて第二志望でした。それでやはり6年間の大学生活のうちに4年間は無為に過ごしました。で、4年目の後半にこれではだめだと思い直してまじめになり、当時は就職はそのまま大学となるので最も厳しいと言われるところに就職。40前までは命がけのつもりで働いてきました。しかし、今はもう命はかける気はなくなったなぁ??。真剣に、しかし半歩退いて、自分の実力に対する正当な対価を受け取るプロフェッショナルな仕事をすることを心がけています。もちろん、なめられないようにプレゼンスを示し続けるのはプロとしていつも意識しています。
でももう50近く。仕事以外でいろいろ(ほとんど自転車関連ですが)したいことがあって、それを優先したい。そんな気持ち。といいながら、そうじゃない仕事がたくさんふってくるんですよね。ここは雇われる身の辛いところです。
ところで、私の長男も第一志望の高校に無事合格しました。私がたきつけたわけでもないし、受験勉強にタッチすることも全くなかったのですが、中一からしっかりと目指してきた高校に合格した彼の十五歳の試練の過ごし方に親ながらよくやったなと思った親ばかです。
2. Posted by OT 2008年03月01日 01:42
エリート街道を驀進してきた秀才と思っていましたので意外でした。
ところで富山はたしか住宅の床面積が日本一だった記憶がありますが、そのせいか手がけられた住宅はどれも素晴らしく広々としていますね。
時折写真を眺めながら溜息をついています。
資金に都合がつけば設計をお願いしたい気持ちがありますが、今は食べていくだけで精一杯です。
1階建て40畳くらいで天井が7mくらいのリスニングルームが欲しいです。床はムクのメープル50mmから80mm、壁はヒノキを凸凹に積み上げて・・・。土地は別で建物だけだと2千万で建ちますか?
ところで富山はたしか住宅の床面積が日本一だった記憶がありますが、そのせいか手がけられた住宅はどれも素晴らしく広々としていますね。
時折写真を眺めながら溜息をついています。
資金に都合がつけば設計をお願いしたい気持ちがありますが、今は食べていくだけで精一杯です。
1階建て40畳くらいで天井が7mくらいのリスニングルームが欲しいです。床はムクのメープル50mmから80mm、壁はヒノキを凸凹に積み上げて・・・。土地は別で建物だけだと2千万で建ちますか?
1. Posted by Novel-Design 2008年02月29日 14:17
すばらしいです。
甥っ子さんも、Robertoさんも。
甥っ子さんも、Robertoさんも。