2006年02月27日
オベリスクJr製作2
エンクロージャー(箱)が大体組み上がり、これから孔あけ、ヤスリがけなどの細工に入ります。
「元祖オベリスク」に比べるとやはり小さいですね?
通販で注文したユニット群も到着しました。
・フロントユニット:FE83E
違うユニットも使ってみたかったので迷いましたが、結局これ。
これまでに秋葉原でたくさんのユニットを試聴しました。フルレンジは素直さとは裏腹に、高域の分割振動で歪みっぽさが出るのですが、FE83Eはフルレンジっぽい癖がなく、ハイエンドスピーカーに近い繊細な音が出せるユニットだと感じました。ボーカルが最高で、弦楽器もしなやかに鳴らせるフルレンジはこれしかないと思います。能率が低めでQが0.8と高いのもタンデム駆動には好適。元祖オベリスクで1年使って、飽きのこない音も確認済み。
・リアユニット:FE126E
最も迷ったのがこれ。ウーファは高価なのに能率が低すぎるし、重い振動板ではFE83Eとの違和感が生じると判断、あえてフルレンジユニットを採用。バックロードホーン向きの強力オーバーダンピングユニット(12cmクラス最強のマグネット)でスピード感のある低音を狙う。FE83Eと共通の新素材ESコーン紙で音色の統一感も期待。
・ツイータ:FT28D
小型ながら高級なツイータで、繊細かつ力強く伸びきった高音。指向性も広く背面取付に最適。スーパーツイーター並みのワイドレンジ。
FE126Eのマグネットは、バカみたいに大きい!取付開口が105Φなのに、マグネットが100Φとは異常!
元々バックロードホーン向きの超強力タイプなので、普通にバスレフで使えば低音は出てもそれ以上に中高域が出過ぎて、ハイ上がりになります。
「タンデム駆動」では、タンデム室の吸音材とフロントユニットのFE83EがフィルターとなってFE126Eの中高域を落とします。低域はバスレフポートのみの放射となるので93→87dB程にダウンするはず。
FE83Eは3本直列24Ωとして耐入力アップとともに能率を85dBくらに落とし、8ΩのFE126Eには相対的に3倍のパワーをぶちこんで87dBとしてバランスを取ります。
タンデム室内ではFE83Eの後ろからFE126Eが強制駆動しますが、中高域は徹底吸音し、中低域の厚みだけを付加するようチューニング。
このようにアコースティックなフィルターを利用し、音質(特に低音のキレ)を損なうネットワークは入れません。
背面ツイータFT28Dはコンデンサー1個のネットワークで超高域のみを拡散し、音場感と奥行き感を演出しますが、アッテネーターを入れることで部屋に合わせてきめ細かく調整することもできます。
オベリスク型のエンクロージャーは、バッフル面積最小で定位感が出ますし平行面が無いので定在波が発生しにくいメリットもあります。
ガチガチに固めるのではなく、薄めのOSB材をうまく鳴らして楽器的な響きとスケール感も狙っています。
欠点は、小口径フルレンジをさらに能率を下げて使っているのでアンプにパワーが必要なことと、耐入力的に大音量再生には限界があること。広い部屋でオーケストラやビッグバンドを大音量で聴くのは無理かもしれません。でも一般家庭の3?4mの距離で小編成ジャズや室内楽を聴くなら問題ありません。
とにかく、市販スピーカーには絶対にない特徴が満載のスピーカーですね。
さて、うまくいくといいのですが。