2006年01月22日
タンデムドライブ
アトリエのスピーカー「オベリスク」の最新状態を紹介します。
タンデムドライブに挑戦しました。
とはいっても、たった1時間で改造は終了!
しかもコストはゼロ円!
結果は過去最高でした。
16cmフルレンジユニットFF165Kをサブバッフルを介して内部に装着しています。
これを正面の8cmフルレンジFE83E×6発(シリ・パラ12Ω)と逆相接続で並列駆動します。
両ユニットの能率を比較すれば、3?6dBくらいの強制駆動気味の動作となるでしょう。
やりすぎならFF165Kに抵抗を入れればよいことですが、能率を同じにすれば低音不足になると思います。
FE83Eの第1キャビネット容積はわずか12Lですが、タンデムドライブにより巨大密閉箱に入れたような特性になり、Fゼロの上昇は少なくなってQも0.8と高いので、Fゼロ=140Hz近くまでフラットに再生できるはず。
しかしこれだけではそれ以下がダラ下がりとなって十分な低音は再生できません。
重低音は4本のバスレフダクトで再生します。
(当初パッシブラジエータだったが低音のトランジェントに不満を感じたのでバスレフに戻した)
FF165Kの第2キャビネットは24Lで共振周波数Fd=54Hzとし、FF165Kで強力にドライブして40?100Hzを補強します。
正直いってこの改造の最大のメリットは、ネットワークを排除できたことだと思っています。
FF165Kはエンクロージャーによって中高音がカットされるため、重大な損失を伴うコイルを省略できました。
いろんな音楽を聴いてみても、中高域はFE83E単体とほとんど変わりませんし音像が膨らんだりもしません。
背面にウーファを付けるとフィルターでいくらカットしても中域の膨らみを抑えられなかったので、箱によるフィルター効果には驚いています。
コイルがないので低音の切れがよく濁りもなくスピード感も十分。ベースラインを追うことができるようになりました。
低域レンジもグランカッサが聞こえるので40?50Hzくらいまでは出ていると思います。
長大なエンクロージャーを分割したので気柱共鳴音も消え、クリアな音になりました。
もともと定在波は出にくいテーパー形状であり、タンデムドライブによって背圧が減少していることも効いていると思います。
何を聴いても抑えられた感じがなく伸び伸びと鳴り、FE83Eの最大の特徴であるボーカルの美しさも際立っています。
FE83Eの良さを殺さずにどうやって低音を加えるか、という命題はほぼクリアできたのではないかと思います。
遠くまで減衰せずに聴かせるラインアレイのメリットは大きいですし、微小な音への反応の良さ、素直なボーカルと抜群の音場感・定位感は市販スピーカーとは一味違った魅力があります。
このスピーカーの欠点は、原理的に耐入力がとれず圧倒的大音量再生では苦しいこと、そして大口径ウーファのような「面で押してくる迫力」がないことでしょう。
いずれはそういう音のスピーカーも作ってみたいものですね。
TQWT(共鳴管)→TQWTバスレフ→ウーファ追加→パッシブラジエータ→スーパーツイータ追加→マルチアンプ駆動→タンデムドライブ
と試行錯誤を繰り返した実験スピーカーですが、
ともあれ、「オベリスク」完成! ということにしておきます。
タンデムドライブに挑戦しました。
とはいっても、たった1時間で改造は終了!
しかもコストはゼロ円!
結果は過去最高でした。
16cmフルレンジユニットFF165Kをサブバッフルを介して内部に装着しています。
これを正面の8cmフルレンジFE83E×6発(シリ・パラ12Ω)と逆相接続で並列駆動します。
両ユニットの能率を比較すれば、3?6dBくらいの強制駆動気味の動作となるでしょう。
やりすぎならFF165Kに抵抗を入れればよいことですが、能率を同じにすれば低音不足になると思います。
FE83Eの第1キャビネット容積はわずか12Lですが、タンデムドライブにより巨大密閉箱に入れたような特性になり、Fゼロの上昇は少なくなってQも0.8と高いので、Fゼロ=140Hz近くまでフラットに再生できるはず。
しかしこれだけではそれ以下がダラ下がりとなって十分な低音は再生できません。
重低音は4本のバスレフダクトで再生します。
(当初パッシブラジエータだったが低音のトランジェントに不満を感じたのでバスレフに戻した)
FF165Kの第2キャビネットは24Lで共振周波数Fd=54Hzとし、FF165Kで強力にドライブして40?100Hzを補強します。
正直いってこの改造の最大のメリットは、ネットワークを排除できたことだと思っています。
FF165Kはエンクロージャーによって中高音がカットされるため、重大な損失を伴うコイルを省略できました。
いろんな音楽を聴いてみても、中高域はFE83E単体とほとんど変わりませんし音像が膨らんだりもしません。
背面にウーファを付けるとフィルターでいくらカットしても中域の膨らみを抑えられなかったので、箱によるフィルター効果には驚いています。
コイルがないので低音の切れがよく濁りもなくスピード感も十分。ベースラインを追うことができるようになりました。
低域レンジもグランカッサが聞こえるので40?50Hzくらいまでは出ていると思います。
長大なエンクロージャーを分割したので気柱共鳴音も消え、クリアな音になりました。
もともと定在波は出にくいテーパー形状であり、タンデムドライブによって背圧が減少していることも効いていると思います。
何を聴いても抑えられた感じがなく伸び伸びと鳴り、FE83Eの最大の特徴であるボーカルの美しさも際立っています。
FE83Eの良さを殺さずにどうやって低音を加えるか、という命題はほぼクリアできたのではないかと思います。
遠くまで減衰せずに聴かせるラインアレイのメリットは大きいですし、微小な音への反応の良さ、素直なボーカルと抜群の音場感・定位感は市販スピーカーとは一味違った魅力があります。
このスピーカーの欠点は、原理的に耐入力がとれず圧倒的大音量再生では苦しいこと、そして大口径ウーファのような「面で押してくる迫力」がないことでしょう。
いずれはそういう音のスピーカーも作ってみたいものですね。
TQWT(共鳴管)→TQWTバスレフ→ウーファ追加→パッシブラジエータ→スーパーツイータ追加→マルチアンプ駆動→タンデムドライブ
と試行錯誤を繰り返した実験スピーカーですが、
ともあれ、「オベリスク」完成! ということにしておきます。
コメント一覧
6. Posted by Roberto 2006年01月25日 17:47
いえいえ、ですから、リファレンスは「プアオーディオ経験」....m(_ _)m
「8cmフルレンジにしては」という枕詞がつきます...
オーディオ的Hifiというより、最強BGMというべきか...
でもシステム全体として、これまでの人生最高のバランスで音楽が聴けている、というのは確かで、嬉しいもんですよ。
「8cmフルレンジにしては」という枕詞がつきます...
オーディオ的Hifiというより、最強BGMというべきか...
でもシステム全体として、これまでの人生最高のバランスで音楽が聴けている、というのは確かで、嬉しいもんですよ。
5. Posted by jazzaudiofan 2006年01月25日 17:20
いや?、すごいですね!
Robertoさんの文面から熱気が伝わってきます。
最終形態のいま、さぞ良い音で鳴っているんでしょうね。
いちど聴いてみたいものです。
Robertoさんの文面から熱気が伝わってきます。
最終形態のいま、さぞ良い音で鳴っているんでしょうね。
いちど聴いてみたいものです。
4. Posted by Roberto 2006年01月23日 22:21
デザインも音も、部屋次第ですね!別にオーディオ専用の部屋がいいというのではなくて、「それぞれの部屋に合ったシステム構築」が大切だと思うのです。
何百万もする高級ハイエンドオーディオってそのあたりを勘違いしていると思っています...
仕事柄なのか、どんなに音が良くても部屋に似合わないスピーカーは賛成できません...部屋に合うスピーカーは音も良い!
逆に言えばスピーカーは「インテリアへの効果」が大きいのです。
このアトリエは天井高さが4.5mあるので、背の高い細身のデザインが似合うと思いました。
部屋がやたら広くライブなのでラインアレイ(トーンゾイレ)は必須でしたしね。
逆にレコーディングスタジオのような狭くて密度の濃いデッドな部屋でのモニターSPも面白いですね!
部屋の特性に合わせて作れるのが、自作の良いところ!
BH、バスレフ、ダブルバスレフ、共鳴管、密閉、平面バッフル...超スレンダー、超薄型、超巨大などなど...何でもできるし全て自己責任、ユニットを使い回せるからコストリスクも小さい!
僕的には今回のタンデム駆動はヒット!
次の目標は、PA並みの大迫力面音源スピーカーです!
もし北陸のお近くか首都圏でしたら、気軽にお会いできるのですが。
できる範囲でいろいろ相談に乗りますよ!
僕もサンスイのAU-α907iってのを使ってましたよ!
何百万もする高級ハイエンドオーディオってそのあたりを勘違いしていると思っています...
仕事柄なのか、どんなに音が良くても部屋に似合わないスピーカーは賛成できません...部屋に合うスピーカーは音も良い!
逆に言えばスピーカーは「インテリアへの効果」が大きいのです。
このアトリエは天井高さが4.5mあるので、背の高い細身のデザインが似合うと思いました。
部屋がやたら広くライブなのでラインアレイ(トーンゾイレ)は必須でしたしね。
逆にレコーディングスタジオのような狭くて密度の濃いデッドな部屋でのモニターSPも面白いですね!
部屋の特性に合わせて作れるのが、自作の良いところ!
BH、バスレフ、ダブルバスレフ、共鳴管、密閉、平面バッフル...超スレンダー、超薄型、超巨大などなど...何でもできるし全て自己責任、ユニットを使い回せるからコストリスクも小さい!
僕的には今回のタンデム駆動はヒット!
次の目標は、PA並みの大迫力面音源スピーカーです!
もし北陸のお近くか首都圏でしたら、気軽にお会いできるのですが。
できる範囲でいろいろ相談に乗りますよ!
僕もサンスイのAU-α907iってのを使ってましたよ!
3. Posted by マサ 2006年01月23日 18:11
見た目!大事ですよねー。オベリスク。かっこいいですもの!とりあえずメイルで相談させてください!
ちなみにアンプはサンスイの古いやつで、聞くのはジャズが多いかな?
ちなみにアンプはサンスイの古いやつで、聞くのはジャズが多いかな?
2. Posted by Roberto 2006年01月23日 11:25
マサさんはじめまして。
当ブログを見て頂きありがとうございます。
自作スピーカーは楽しいですよ?!
音はいいし、コストも驚くほど安いのです。
アンプと違って「目に見える」「違いがわかりやすい」ところがたまりません!インテリアとしても重要なので、僕は見た目から入ります...
なにぶん素人なので仕上げを気にされるとキツイですが、依頼があれば作りますよ?
学生時代はよく作っては売ったりしてました。
当ブログを見て頂きありがとうございます。
自作スピーカーは楽しいですよ?!
音はいいし、コストも驚くほど安いのです。
アンプと違って「目に見える」「違いがわかりやすい」ところがたまりません!インテリアとしても重要なので、僕は見た目から入ります...
なにぶん素人なので仕上げを気にされるとキツイですが、依頼があれば作りますよ?
学生時代はよく作っては売ったりしてました。
1. Posted by マサ 2006年01月23日 11:08
はじめまして。いつも読んでます。オリジナルスピーカーっていいですねー。作成依頼したいくらいです…