2025年03月02日
EF35mm F1.4L II USM

プアマンズ・アポ・ズミルックス35mm F1.4 ASPH (笑)
冗談はさておき(ライカにアポ・ズミルックス35mmというレンズは存在しません)、
BRレンズという色収差を狙い撃ちした特殊な光学系を持つので、実質アポレンズといっていいのではないかと思う。
特に、後補正が難しい軸上色収差が少ない大口径広角レンズは稀有な存在なので、ぜひ使ってみたかった。

数日使ってみて、まず感じたのはピントの難しさだ。最初はピンボケを連発してしまった。
AFマイクロジャストメント機能で追い込んで問題ないレベルまで調整できたが、それでもターゲットが迷うのか、時々大外しすることはある。
そういえばAF一眼レフで35mm F1.4を使うのは初めてだが、おそらく一眼レフの位相差センサーでは精度的に限界に近いスペックなのではないか。
マウントアダプター経由で、EOS Rシステムの被写体認識AFで使う方が確実なのだろう。いずれR6あたりを試してみるか?

画質の第一印象としては、F2ISよりも解像度が高く、線が細くて透明感がある。
どの距離でも軸上・倍率色収差がほとんど感じられない。

寄っても引いても解像感は高い。ISは非搭載だが、F1.4開放から十分にシャープなのでブレを防ぎながら低いISO感度を使える。
ボケの質の違いなのか、F2に絞って撮ってもF2ISよりもボケ量が大きいように感じる。
F1.4にするとボケの質が変わってバブルボケ感が出てくるとともに、周辺光量がドスンと落ちる。

5DMark4とのバランスは思いのほか良好。デザインもいい。
意外なことに、鏡筒の根本部分がEF35mmF2ISより細い。このためホールド感が良く、撮影時に重さは感じない。(持ち歩くときは嵩張るし重いけどね)
EOS6DMark2とのバランスも良好だが、シャッター速度が最高1/4000なので、せっかくのF1.4開放が使えないケースが増えてしまう。

逆光耐性もそこそこありそうだ。
絞り選択幅の広さと画面端までの解像度の高さにより、トリミングで35〜70mmズームレンズのようにも使える。
歪曲収差がほとんどないため、現像時に「レンズ補正」をOFFにできるのも大きなポイント。できれば周辺減光はそのまま活かしたいからだ。

35mm F1.4というレンズが好きで、ライカやニコンでも使ってきた。
使いやすい広角域で非現実的なほど浅い被写界深度が得られるのは、フルサイズの35mm F1.4以外にない。
大きく重いレンズだが、これ1本で表現の幅が広いので、メインとしてガンガン使っていきたい。