2024年04月30日
まさかのキヤノンEOS 6D
定期的に高まる「いまさらレフ機使いたい病」
一度ニコンD780に手を出し、良いカメラなのにどうもしっくりこなくて手放したことがある。
それ以来、妥協せずD850にすべきだったか?いや逆にもっと古くて安いD810?D750?D610?ペンタックスもあり?などと物色していた。
そこへ全くノーマークなオールド・キヤノンが飛び込んできたのだ。
以下のように検索した結果、意外な方向へ...
「デジタルカメラ」→「一眼レフ」→「価格の安い順」→EOS6D
2012年発売のフルサイズ一眼レフ。
2013年に僕がオリンパスフォーサーズから乗り換えたニコンD600のライバル機だった。
当時はキヤノンが苦手だったはずなのに、現在の視点では違う価値が見えてきたのだ。
・4万円弱~という中古相場(ニコンD610よりさらに1万円以上安い)
・フルサイズ一眼レフの中で最軽量の755g
・安くて豊富なEFレンズ
・EFレンズはRFシステムでもアダプターで完全に使える
・EOSマウントアダプターでM42、ヤシカ/コンタックス、OM、ニコンFレンズも使える
・フォーカシングスクリーンが交換可能
・バッテリーが現行品
トップカバーが樹脂、AF測距点が少ない、シングルカードスロットなど足りないところもあるが、普段使いでは問題なさそう。
後継機のMARKⅡはバリアングル液晶になってボディも分厚くなり、価格もかなり違う。固定液晶でシンプルな初代のほうが好きだ。
とにかく驚くほど安いので、試してみることにした。
当時のキヤノンの絵作りは好みではなかったが、現在の環境で画質を決めるのはカメラ内の画像エンジンではなく、現像アプリのLightroomだ。
6DのRAWファイルをカメラ標準プロファイルでストレート現像してみると、カラーバランスが自然で、発色が豊かで濃厚さも渋みも出せる。
見栄えがしながらもピーキーさがなく、なんとなく、ニコン一眼レフよりむしろライカMに近い仕上がりに感じる。
2000万画素も普通のサイズで鑑賞する限り不足はない。懸念したローパスフィルターの効きはあまり気にならず十分に解像する。偽色やモアレも目立たない。
評判通り、時代を考えれば高感度にも強い。RAWのノイズは上品でISO3200が常用できる。
デジタルカメラの画質は2012年から実用上ほとんど進化していないのではないか?
露出やAWBもかなり正確。ダイナミックレンジが狭いといわれることもあるが、よほど強い補正をしない限りは問題なく、OM-1よりは上だ。
画像調整の耐性は十分にあり、Lightroomで様々なプロファイルをあててみても思い通りにコントロールできそうだ。
ただしカメラ内JPEGではノイズ除去優先でディテールが改変されてしまい、べったりした塗り絵のような画像になってしまう。ああこれが当時嫌いだったキヤノンの絵だ!と思った。
センサーは12年前にほぼ完成されており、ハードよりもソフトウェアの進化のほうが大きい。つまりRAWさえ残しておけば古いカメラも生き返る。
さて数日撮ってみて、キヤノン機が売れたのがよくわかった。
とにかく使いやすいのだ。
特に小型化された6Dは右手側に機能が集約され、片手持ちでほとんどの操作が可能になっている。
キヤノン独特のサブコマンドダイヤルによる露出補正が良い。一般的なリアコマンドダイヤルとは異なる妙な位置にあるのだが、これが想像以上に直感的で確実性がある。
プレイボタンの位置も良い。Qボタンでの機能呼び出しは項目が厳選されてダイレクト感がある。肩液晶の情報表示もシンプルで必要十分。
メニューの構成がよく練られていて、現代のニコン、フジ、オリンパスよりもわかりやすく、取説無しですぐに使いこなせる。これと同世代のオリンパスと言ったら…^ ^;
全体的に素早く迷わず確実に操作できるように考え尽くされたカメラだと感じる。
バッテリーは長持ちするし、レリーズ半押しでの起動も速い。とにかくサッと撮れる。
ニコンD600やD780よりかなり軽く、グリップ形状とラバーの感触が良く、手にピタッとフィットする。
ファインダー像の見え味やシャッター音に官能性はないが、実直で手に馴染む道具らしさに好感が持てる。
ふと思い出すのがフィルム時代のキヤノンNewF-1だ。地味だが確実性があり信頼できるカメラで、結婚式の本気撮りにも使った。
ボディは決まったが、レンズはどうするか。
EFレンズのラインナップは新旧合わせてとても豊富だ。
目的は日常スナップなので、安くて軽くてコンパクトでボケの活かせる明るい単焦点がいい。
中古販売店で以下検索。
「交換レンズ」→「一眼レフ用」→「キヤノンEF」→「単焦点標準」→「価格の安い順」 →EF50mm F1.8 STM
2015年発売と比較的新しく、新品でも1万5千円以下。いわゆる「撒き餌レンズ」だ。
世界一売れたレンズともいわれるEF50mm/F1.8Ⅱの改良型で、光学系はそのままにAFがステッピングモーターになり、最短撮影距離が35cmに短縮されている。
パンケーキに近い薄型で重量は170g。6Dボディとセットで925gしかなく、フロントが軽くてバランスがいい。前玉が奥まっているのでフードなしでコンパクトに運用できそうだ。
ニコンの旧型50mmに比べて写りは現代的でキレがある。設計年代は古いが、大きなマウント径の恩恵だろうか。
開放ではフリンジ、色収差が少しあるが許容範囲内。F2.5~2.8あたりが特に良い。
一般的な50mmレンズの最短撮影距離が45cmであるのに対して、35cmまで寄れるのはかなり便利。
フォーカシングで前玉が直進するタイプでAFは爆速とはいかないが、十分速くて静かだ。
F2.8で十分シャープ。湿度感や立体感もあり、安っぽい描写ではない。人物や動物から風景まで万能だ。
今から一眼レフを使おうという人には、ぜひキットズームではなく単焦点レンズをおすすめしたい。
良いレンズの描写は人間の眼を超える。日常をそのまま残すのが標準ズームレンズなら、肉眼で見えない何かを発見できるのが単焦点レンズかもしれない。
中・遠景の背景ボケがややうるさくなるのが数少ない欠点か。
被写体を直視できる光学ファインダーは気持ちいい!ミラーレスとは撮影体験というか、脳の中で使う場所が違う感じかな。
F1.8の廉価レンズだが、さすがフルサイズ。この被写界深度はマイクロフォーサーズでは真似ができない。
AF測距点が中央に偏り11点しかないが、ライカのように中央1点のシンプルな使い方が楽しい。
精度は悪くないが時々外すので、コツがありそう。ミラーレス機の瞳認識のようにオートで100%ガチピンとはいかない。
なおフォーカシングスクリーンはユーザーが交換可能で、F2.8以上の明るいレンズ向けのスーパープレシジョンマット EG-Sを発注済み。もう少しピントとボケ感がわかるかな?
開放から合焦部はシャープでコントラストがあり、ガウスタイプ特有の軽い2線ボケにはオールドレンズ風味と写真らしさが感じられる。
ズミルックス50mmだと言われてもわからないかも(笑)
左:EOS6D+EF50mmF1.8STMで撮影 右:オリンパスOM-1+MZD12-40mmF2.8Proで撮影
開放での甘さや色収差が目立つ場合もある。(フリンジは現像で消せるが、あえて無補正)ブツ撮りではもっと絞らないといけない。
カチッと撮るならOM-1+Proズームのほうがいいだろう。画素数は同じだがレンズの解像感が違う。
デジタルカメラの画質は2012年から実用上ほとんど進化していないのではないか?
露出やAWBもかなり正確。ダイナミックレンジが狭いといわれることもあるが、よほど強い補正をしない限りは問題なく、OM-1よりは上だ。
画像調整の耐性は十分にあり、Lightroomで様々なプロファイルをあててみても思い通りにコントロールできそうだ。
ただしカメラ内JPEGではノイズ除去優先でディテールが改変されてしまい、べったりした塗り絵のような画像になってしまう。ああこれが当時嫌いだったキヤノンの絵だ!と思った。
センサーは12年前にほぼ完成されており、ハードよりもソフトウェアの進化のほうが大きい。つまりRAWさえ残しておけば古いカメラも生き返る。
さて数日撮ってみて、キヤノン機が売れたのがよくわかった。
とにかく使いやすいのだ。
特に小型化された6Dは右手側に機能が集約され、片手持ちでほとんどの操作が可能になっている。
キヤノン独特のサブコマンドダイヤルによる露出補正が良い。一般的なリアコマンドダイヤルとは異なる妙な位置にあるのだが、これが想像以上に直感的で確実性がある。
プレイボタンの位置も良い。Qボタンでの機能呼び出しは項目が厳選されてダイレクト感がある。肩液晶の情報表示もシンプルで必要十分。
メニューの構成がよく練られていて、現代のニコン、フジ、オリンパスよりもわかりやすく、取説無しですぐに使いこなせる。これと同世代のオリンパスと言ったら…^ ^;
全体的に素早く迷わず確実に操作できるように考え尽くされたカメラだと感じる。
バッテリーは長持ちするし、レリーズ半押しでの起動も速い。とにかくサッと撮れる。
ニコンD600やD780よりかなり軽く、グリップ形状とラバーの感触が良く、手にピタッとフィットする。
ファインダー像の見え味やシャッター音に官能性はないが、実直で手に馴染む道具らしさに好感が持てる。
ふと思い出すのがフィルム時代のキヤノンNewF-1だ。地味だが確実性があり信頼できるカメラで、結婚式の本気撮りにも使った。
ボディは決まったが、レンズはどうするか。
EFレンズのラインナップは新旧合わせてとても豊富だ。
目的は日常スナップなので、安くて軽くてコンパクトでボケの活かせる明るい単焦点がいい。
中古販売店で以下検索。
「交換レンズ」→「一眼レフ用」→「キヤノンEF」→「単焦点標準」→「価格の安い順」 →EF50mm F1.8 STM
2015年発売と比較的新しく、新品でも1万5千円以下。いわゆる「撒き餌レンズ」だ。
世界一売れたレンズともいわれるEF50mm/F1.8Ⅱの改良型で、光学系はそのままにAFがステッピングモーターになり、最短撮影距離が35cmに短縮されている。
パンケーキに近い薄型で重量は170g。6Dボディとセットで925gしかなく、フロントが軽くてバランスがいい。前玉が奥まっているのでフードなしでコンパクトに運用できそうだ。
ニコンの旧型50mmに比べて写りは現代的でキレがある。設計年代は古いが、大きなマウント径の恩恵だろうか。
開放ではフリンジ、色収差が少しあるが許容範囲内。F2.5~2.8あたりが特に良い。
一般的な50mmレンズの最短撮影距離が45cmであるのに対して、35cmまで寄れるのはかなり便利。
フォーカシングで前玉が直進するタイプでAFは爆速とはいかないが、十分速くて静かだ。
F2.8で十分シャープ。湿度感や立体感もあり、安っぽい描写ではない。人物や動物から風景まで万能だ。
今から一眼レフを使おうという人には、ぜひキットズームではなく単焦点レンズをおすすめしたい。
良いレンズの描写は人間の眼を超える。日常をそのまま残すのが標準ズームレンズなら、肉眼で見えない何かを発見できるのが単焦点レンズかもしれない。
中・遠景の背景ボケがややうるさくなるのが数少ない欠点か。
被写体を直視できる光学ファインダーは気持ちいい!ミラーレスとは撮影体験というか、脳の中で使う場所が違う感じかな。
F1.8の廉価レンズだが、さすがフルサイズ。この被写界深度はマイクロフォーサーズでは真似ができない。
AF測距点が中央に偏り11点しかないが、ライカのように中央1点のシンプルな使い方が楽しい。
精度は悪くないが時々外すので、コツがありそう。ミラーレス機の瞳認識のようにオートで100%ガチピンとはいかない。
なおフォーカシングスクリーンはユーザーが交換可能で、F2.8以上の明るいレンズ向けのスーパープレシジョンマット EG-Sを発注済み。もう少しピントとボケ感がわかるかな?
開放から合焦部はシャープでコントラストがあり、ガウスタイプ特有の軽い2線ボケにはオールドレンズ風味と写真らしさが感じられる。
ズミルックス50mmだと言われてもわからないかも(笑)
左:EOS6D+EF50mmF1.8STMで撮影 右:オリンパスOM-1+MZD12-40mmF2.8Proで撮影
開放での甘さや色収差が目立つ場合もある。(フリンジは現像で消せるが、あえて無補正)ブツ撮りではもっと絞らないといけない。
カチッと撮るならOM-1+Proズームのほうがいいだろう。画素数は同じだがレンズの解像感が違う。
6Dは建築撮影にも十分使えると思うがレンズが難しい。EF14mmF2.8L、TS-E17mm、Laowa14mmあたりか?
しかしIBISが無くライブビューの使い勝手も良いとはいえないのでOM-1+7-14mmには勝てないだろう。
ところで以前は好みでなかったEOSのデザインが、一周まわってカッコよく見えてきたのはなぜだろう...
最近のミラーレス機よりもシンプルで飾り気がなく、フルサイズとしてはギリギリまでシェイプされたことで凝縮感が出ているのかもしれない。
このセットで約6万円という価格はバグっている。
現像アプリの進化によって安価なオールドデジカメ復権の時代がきたかもしれない。
片手で軽快にサクサク撮れる、電池長持ちスナップマシン。ライカを駆逐してしまいそう...
しかしIBISが無くライブビューの使い勝手も良いとはいえないのでOM-1+7-14mmには勝てないだろう。
ところで以前は好みでなかったEOSのデザインが、一周まわってカッコよく見えてきたのはなぜだろう...
最近のミラーレス機よりもシンプルで飾り気がなく、フルサイズとしてはギリギリまでシェイプされたことで凝縮感が出ているのかもしれない。
このセットで約6万円という価格はバグっている。
現像アプリの進化によって安価なオールドデジカメ復権の時代がきたかもしれない。
片手で軽快にサクサク撮れる、電池長持ちスナップマシン。ライカを駆逐してしまいそう...