2023年03月21日
Typ262のわけ
ライブビューができないことがM Typ262最大の「長所」である。
ライブビューを完全に諦めることで、使い心地がフィルムカメラに、そして本来のライカに限りなく近づく。
ライカにはM-D Typ262やM10-Dという液晶モニターさえ廃した機種が存在する。これが最もフィルムライカに近いのだが、自分としては撮影後に露出ミスを確認できないのはストレスが大きい。
ライカMtyp240系には都合のいい機能がある。撮影後シャッターレリーズボタンを押したままにすると、その間だけ撮影画像がレビューされ、離せば消える。長押ししなければレビューされず無駄な電力を消費しない。
最初のカットだけ確認し、あとはフィルムカメラのように撮る。ライブビューがないMTyp262ではこの撮影テンポが気持ちいい。このような機能をもつカメラは他にほとんどないと思う。
もうひとつの特徴は、トップカバーがアルミニウム合金となり、Typ240より80g軽量化されたこと。
底板は真鍮のままであるが、以前使っていたM-PやM10-Pと比べて数字以上に軽く感じる。
これは一眼レフのライカR9(R8より約100g軽量化)を使った時にも感じたことで、上部が軽くなると重心が下がって取り回しが軽くなるのだと思う。
Typ240系に共通するバッテリーライフも嬉しい。撮影可能枚数は800枚とX-T5(740枚)と大差ないはずだが、実際には違う。
ミラーレスカメラは液晶が起動していれば写真を撮らなくても消費するので、散歩しながら時々シャッターを切るような使い方では差が出る。
最新のライカM11は700枚となっているが、ミラーレスカメラ同様のセンサー測光なので使い方次第ではカタログスペックより落ちるかもしれない。
ライブビューのない原始的なデジタルライカとしてはM9があるが、持ちはTyp240の半分程度。
バッテリーに起因する不具合も多いようで、何より新品バッテリーの入手が困難になっている。
採光窓のあるデザインなど惹かれるところもあるが、MTyp262はバッテリーが長持ちで動作が安定したM9といえるかもしれない。
そしてやはり、写り。
M-P Typ240 からM10-Pに乗り換えた時に、高感度性能や解像感が向上したのは分かったが、絵の雰囲気はもうひとつライカらしさを感じられず、M-Pほどには愛せなかった。
Typ240の方が重厚で渋みがあり、発色にピーキーなところがなく、エフェクトをかけなくてもヴィンテージ感が出るような気がした。
Typ262と Typ240のセンサーとエンジンは同じはずだが、今はLightroomを使っているのでさらにポテンシャルを引き出せる。楽しみすぎる!