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    2022年06月23日

    GF23mmF4との比較

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    Laowa 20mm f/4 Zero-D Shiftを、FUJIFILM純正のGF23mmF4 R LM WRと比較してみる。

    まず外観。
    Laowa20mmは全金属製でずっしり、ガッチリしている。シフト機構もありメカニカルなデザインはカッコいい。
    外形サイズはGF23mmが太く、短い。Laowaのほうが細身で持ちやすい。実測重量はどちらも850g程度だがLaowaのほうがやや持ち重り感はあるかも。
    フィルター径はどちらも82mm。超広角シフトレンズでフィルター装着可能なのは珍しいが、ホコリが付着すると写り込むので本気の撮影時にフィルターは使わない。

    さて写りや使い勝手は。




    DSCF3166-2

    GF23mm(F11)



    DSCF3175-2
     
    Laowa20mm(F11)



    DSCF3181

    Laowa20mm(F11)上方へシフト




    一見、画質差はあまり感じない。逆光とフリンジの出にくさではLaowaがむしろ勝っている。同じ条件なら発色はやや暖色寄りで好ましい。
    もちろん電子補正もされてないが、歪みは少なく、周辺光量落ちも感じない。

    しかし.....



    gf23

    GF23mm (F11)



    la11

    Laowa20mm (F11)



    拡大してみると解像度、コントラスト性能の差は一目瞭然。

    LaowaはF4開放では中央でさえホワホワで解像、コントラストともに低くハイライトにフレアも出る。
    F5.6で一応使えるレベル、F8でかなり締まってくるが周辺解像度は絞っても十分とはいえず、GFX 100Sのセンサーをフルに活かせてはいない。

    対するGF23mmはF4開放でも絞っても解像度はほとんど変わらず、なおかつ周辺まで均一である。さすが高価な純正レンズだ。



    次に屋外で手持ち撮影してみる。


    DSCF3212

    GF23mm (F11)



    DSCF3205

    Laowa20mm (F11)




    DSCF3215

    GF23mm (F11)



    DSCF3207

    Laowa20mm (F11)



    DSCF3213

    GF23mm (F11)



    DSCF3211

    Laowa20mm (F11)



    歪曲収差はどちらも優秀で、自動補正の効かないLaowa20mmは少し樽型収差があるが補正するとしても簡単だ。部分拡大しなければ画質差もあまり感じられない。

    シフトの効果はやはり絶大で、空を大きく入れて地面をカットできるし、後処理に頼らず現場で構図を決めることができる。
    GFXフォーマットでは最大シフト量8mmとされているが、11mmまでシフトしても一応使える。隅がケラれて暗くなるが、昔の建築写真では空の隅がケラれるのは当たり前だった。



    次はパノラマ結合のテスト。

    ますはGF23mmから。


    DSCF3158-Pano




    ↓トリミング

    DSCF3158-Pano-2


    GF23mmのような普通のレンズでもパノラマ結合はできる。これは3カットからLightroomで自動結合している。
    当然ながらカメラをパンするので魚眼状の描写になる。普通のデジカメやスマホのパノラマモードと同様だ。


    次はLaowaでシフトパノラマ結合。


    DSCF3162-Pano



    ↓トリミング

    DSCF3162-Pano-2

    Laowa20mmShiftのシフト機能を利用したパノラマ結合では、線が真っ直ぐなままワイドな画角が得られる。この差は大きい。




    次に接写のテスト。


    DSCF3199

    GF23mm(F4 最短撮影距離38cm)



    DSCF3198

    Laowa20mm(F4 最短撮影距離25cm)


    実用上、ここまで寄ることはないが、最短撮影距離38cmと25cmの差が出ている。ボケは悪くなく、超広角レンズにありがちな周辺の流れも少ない。




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    GF23mmはもちろんAFレンズで、速く静かにフォーカシングする。
    Laowa20mmはMFレンズだが、ピントを固定して撮ることが多い建築撮影ではMFのほうがむしろ使いやすい。
    ヘリコイドは滑らかに動くが、回転角が小さく、距離指標が2m→∞と大雑把であり、(こうしたMFレンズ共通の問題として)オーバーインフまで回ってしまう。
    そこで拡大ライブビューによりピントを合わせた被写体距離までの距離を実測し、4m、8m、∞の指標を白ペイントマーカーで書き込んだ。

    GFXフォーマットでは超広角でも被写界深度は浅く、ピント合わせは重要だ。




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    シフト機構はたいへん秀逸で、ズームリングを回す要領で滑らかに動作するので(ラック&ピニオンギヤ?)手持ちでも扱える。
    ニコン、キヤノンなど他社のシフトレンズと比べても使いやすいと思う。
    惜しいのは、シフト指標が右手側にあって見づらく、あまり使わないシフトロックノブが左手側にあり操作の邪魔なので、逆に入れ替えて欲しかった。
    鏡胴を回転させることで360度あらゆる方向へシフトができる。15度ピッチでクリックストップが入り、カチカチとしっかり動作する。



    総合評価はどうか。

    画質はFUJIFILM純正GF23mmのほうが優れており、AFで防塵防滴でもあり、価格なりの性能差があるといえる。
    しかしLaowa20mmは16mm相当の絶妙な画角でシフト補正ができ、スティッチによってさらに広い画角が得られる。
    これ1本でほとんどの条件をこなす安心感があり、画質はベストではないが逆光に強く破綻はない。GFX100Sのボディ内手ぶれ補正もしっかり効く。

    GF23mmは風景写真や作品撮りに使うなら最高だと思うが、建築写真にはスペック的に物足りない。次回の竣工写真はLaowa20mmで行こうと思う。
    ただし、9月に発表予定のGF20-35mmは画角がLaowa同等でズームの利便性もあるので、微妙な勝負になるかもしれない。







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