2022年04月29日
北陸オーディオショウ2022

ソウルノートは徹底して正攻法にこだわる、聴いてみたかったメーカーのひとつ。ただ最近リリースされる製品は高級機ばかりなのが残念。
音はソウルノートの特徴なのか、700万円超というYGのスピーカーが支配的だったかもしれないが...ガッチリ揺るぎなく、重低音はゴリっと出て、立ち上がりが速く鮮度感が高い。
他のブースよりもかなり大音量で、MArecordなどのストレート系な優秀録音ソフトをチョイスされ、いかにもハイエンドオーディオ的な楽しさはあったが少し疲れた。
ソウルノートのコンセプトは過渡特性を重視し、原音に手を加えないことにある。味付けを拒否し、プリアンプにも音質のコントロール機能は無い。
ただ実際には優秀録音ソフトばかりではなく、視聴環境も様々だ。普通の音のソフトを、好きなスピーカーで、現実的な音量で聴く。
その中で自分の好きな音を作るのがオーディオ趣味だとすると、使いどころに悩む、難易度の高い機材かもしれない。

JBLはよく知る音なのでホッとする(笑)
超ハイファイという感じではないが、ホーンの特徴が出て明瞭で快活。低域は自然で無理がなく少し柔らかく、聴き心地が良くてジャズバーの雰囲気かな。ソウルノートとは全く異なる方向性。アンプ類とスピーカーでは違って当然か。

JBL4349は昔の43**系に比べればハイファイ感が高いが、ホーンのクリアな音に対してやや低域が薄いかもしれない。
PROJECT K2 S9900は流石に38cmウーハーらしくスケール感が違い、面で押し出してくる。小口径トールボーイには出せない音。

4309はサイズの割に豊かな音を出していた。日本の普通の部屋ならこれくらいで十分ではないか。

JBLブースの再生機器、アンプはマークレヴィンソン。ターンテーブルは初めて見た。

アキュフェーズのブースではソナスファベールのクレモネーゼが雄大に鳴っていた。
エンクロージャーが楽器的に響くような音で、どのアンプでもこんなふうに鳴りそう?と思ってしまった。
自分はスピーカー自作が趣味なので、どうしてもスピーカーの音を聴いてしまうし、そのキャラクターを敏感に聴き分けてしまう。
入り口から出口まで用意できるメーカーはほぼ無いし、各社スピーカーの個性がありすぎてアンプの違いまではよくわからなかった。
こうしたイベントの限界で、会議室のような場所で音響条件も良くないので、細かな違いを聴き取る自信はない...
ブースの見せ方も、煌々とした蛍光灯を消して、色温度が低く仄暗いスタンド照明などを用意するだけで数段良い音に聴こえると思うんだけどな…製品説明の時だけ部屋の照明を点ける運営はできると思う。
これらの写真はX-E4にXF10-24mmを付けてAEB撮って出し。事務室的で寒々とした雰囲気がそのまま出ている^ ^;


TADのスピーカーを鳴らしていたのはフェーズメーションのアナログ機器群。6台1セットという超ド級の管球フォノイコライザーと送信管211パラレルの試作パワーアンプ 。
ピアノの響きに特徴があり、流石に艶やかな美音。これくらい個性があると違いがわかりやすい。

初めて聴いて興味深かったFYNE AUDIOのスピーカー。コーンの中央にホーンツイーターを配した同軸ユニットを搭載している。元タンノイの技術者が関わっているとのこと。
大中小の3つのタイプを聴いたが、一番小さいF500に最も特徴が出ていた。定位がよく明るくキレがよく、中域にちょっと刺激感があるところは古い欧州フルレンジユニットっぽくて結構好き。
能率が高いので非力なアンプでも鳴らしやすそうだし、むしろDFの小さい管球アンプが合うかもしれないと思った。
ハイエンドオーディオの価格が異常に上がりすぎた中で、比較的良心的な値付けにも好感が持てる。F500はよく売れているらしい。

SMEのアナログプレーヤー。フォノイコライザー内蔵だったり、シンプルで合理的な設計が良い。価格も海外ハイエンドとしては程々。
今回はどのブースもアナログブームを感じさせる展示だった。ネットワークオーディオとアナログレコードが同じくらい再生され、 CDはほぼ無かった。
自分もCDを全て処分してストリーミングにしたけれど、次々と飛ばして聴けるのは便利すぎて、かえって飽きるというのもある。レコード中心にする方がいいかも?

トライオードはカッコいい高級機のラインナップが増えていた。
やはりアナログは楽しいし真空管パワーアンプも良いよなあと少し思ったり。でも、30cmウーハーを動かす(止める)のはしんどいんだよね。

自宅の箱庭オーディオ。スピーカーがパッシブラジエーター化で完成し、アンプも激安業務用のCP500バイアンプで満足してしまって停滞中。
最近はジョギングや筋トレや料理や犬との時間が楽しく、DAZNやYouTubeは観てもピュアオーディオからは離れ気味。狭い部屋で細部を追求することに限界を感じているのもある。
久々のオーディオショウで刺激を得られたけど、先へ進むには楽しみ方の何かを変える必要があるかもしれない。 GWには少し聴き込んでみよう!