2021年10月11日
FUJIFILM X-E4
まず、このカメラの機能や使い勝手以上に、富士フイルムの考える写真・カメラの考え方に惚れてしまった。
富士フイルムは、カメラにヒエラルキーを作っていない。フラッグシップとかエントリー機という言い方もしていない。画質、AFや動作レスポンスはどれも変わらない。
同じセンサー/画像エンジン/フィルムシミュレーションによってJPEG画像に統一感があり、Lightroomでも、どのボディで撮っても同じようにRAW現像できる。
フィルム時代に、カメラが替わってもフィルムが同じなら同じような写真が撮れた、あの感覚だ。違うのは、後でフィルムを選べるところか。
あるいは、iPhone、iPad、Macで連携・使い勝手や画面の色が統一されているApple製品とも似ているかもしれない。
もちろんカメラの操作についても、Qメニューその他設定は共通なのですぐに使いこなせる。(X-T3はより細かな設定ができる)
富士フイルムのカメラの中でもX-E4はハードキーによる操作を減らし、ぎりぎりまでシンプル化されている。
このカメラで建築撮影をするつもりはないので(万一のバックアップにはなる)、普段使いには十分だ。
シャッター音量はX-E4>X-S10>>X-T3で、さすがにX-T3のフィーリングは最高。X-E4は少し甲高いがカメラらしい音とも言える。
ちなみにお店で触ったX-T4はさらに静かで、ささやくようなシャッター音だった。
まっさらな状態で使いたかったが、やはり本体だけでは持ちづらい。純正サムレストも買ったのだが厚みが増して握り込みが浅くなり一長一短。
そこでサムレストを自作。2mm厚アルミ板から削り出した自作品で原価10円以下(^^)
固定は両面テープでなんとかなる。指掛かりは自分の手に合わせているので純正よりずっといい。
X-E4のデザインはライカっぽいという人もいるが、個人的にはもっと庶民的で軽快なカメラ...ミノルタCLE、いやもっと安価なレンズシャッター機に近い印象だ。
小さなレンズを付ければとても軽くてコンパクト。カッコいいと思うが特別な高級感もなく、ライカより気軽に持ち出せる。
癖の強い「クラシックネガ」は本格的な撮影には使いにくいが、日常のスナップにはとても良い。
いずれも中華激安MFレンズ 7artisans 35mm F1.2 V2.0 で撮影。遠景はやや甘いが近距離でいい味が出る。
開放で寄るとピント面は浅く、X-E4に手ブレ補正は無いのでブレることもある。
細かいことは気にせず、シャッターチャンスを優先するのがX-E4の撮り方かなと思う。
なお、同じ7artisansのF0.95のほうが画質は優れているが、サイズ・重量が2倍になってしまう。
X-E4にはコンパクトなMFレンズが似合うし、使い勝手もいい。常用AFレンズを買うなら、XF23mm/F2あたりが良さそうだ。
標準レンズガチャ(^^)
実はもう、TTArtisans35mm/F1.4とXF35mm/F1.4は手元にない。
TTArtisansは8千円台の価格が信じられないほどシャープだが、距離目盛りと実際の誤差が大きく、オーバーインフもも大きすぎた。
神レンズとされるXF35mm/F1.4の写りは良いが、AFと絞り動作の音がどうしても気になり、MF操作はジリジリとしてスムーズさに欠ける。
18mm/F1.4も手放し、X-E4の原資とした(T_T)
描写は最高なのだけど、どうも使用頻度が上がらなかった....
X-T3やX-S10とはバランスが良かったが、X-E4には大きすぎるかな。
XF10-24mmやXF16-80mmはX-T3用の「お仕事レンズ」で、X-E4に付けることはあまり無いと思う。
試しに導入したX-S10で富士フイルムの魅力にハマってから、ライカの立場が微妙になってしまった。
ライカの良さはレンジファインダーの撮り味と、持ち歩くだけで嬉しくなるような、道具としての質感、本格感にあると思う。
しかし街への外出や東京などへ旅行の機会がなく、ライカを持っていこう!という機会が減ってしまった。
建築などをしっかり撮るにはX-T3が使いやすい。日常のスナップ用途では、軽快で寄れるX-E4のほうが優れている。
機体によらず統一されたワークフロー、USB-C充電など、今の自分の生活には富士フイルムのほうが合っている。
画質はライカのフルサイズセンサーが柔らかみや空気感の表現力で上回るが、フジはフィルムシミュレーションと正確なWBによって簡単に良い画像が得られ、RAW現像作業も速い。
感覚的には、フジXシリーズはフィルム時代の35判の画質のイメージで、ライカデジタルはもう少し上のフォーマットに感じる。
ライカはオールドレンズを含めた汎用性も楽しいが、それなら、フジにはもっと上の怪物がいるんだよな(^^;
というわけでカメラシステムについて色々と楽しく悩み中です。