2021年06月24日
Umbrella Company The Fader Control
ボリュームコントローラーをパッシブ型のBaby RAMから、アクティブ型のUmbrella Company The Fader Controlに交代した。 →The Fader Control開発ストーリー
業務用機器でシステムを組む際に問題になるのがボリュームだ。
パワーアンプの入力レベルボリュームは日常の音量調整用ではない。DACのデジタルボリュームで小さく絞ればビットロスがある。(ハイビット処理なので実質無視できる?)
真空管EQの残留ノイズもあり、S/N的にはなるべく大入力をエフェクターに入れたいので、パワーアンプ直前でのボリュームコントロールが必須になる。
バランス入出力を備えたボリュームコントローラーは民生用にはほとんどなく、業務用のモニターコントローラーが有力な選択肢となる。ボリュームが音質に与える影響は大きく、良いものを使いたい。
可変抵抗器は絞った時の精度が低くなり、左右ギャングエラーも大きくなる。バランス型ボリュームでは2連のズレも問題になる。
Baby RAMは固定抵抗切替式になっていて精度の問題はないが2dBステップと大きすぎるのと、パッシブ型ではアンプまでの引き回しをあまり長くできない。
Umbrella Company The Fader Controlはミキサー卓によくあるアナログフェーダーに見えるが、音声信号は可変抵抗器(ALPS製)を経由しない。
フェーダーの抵抗値を読み取り1024段階のデジタル信号に変換し、変化速度まで制御して電子ボリュームを動かすという設計である。
電子ボリュームはオペアンプで増幅率を変化させるので、設定値が正確でギャングエラーもなく出力インピーダンスの変化がないのがメリット。
オペアンプを経由することが音質的なデメリットとなるかもしれないが、可変抵抗器にも固有音はあるのでどちらが良いかはわからない。
Baby RAMとの単体での音質比較は難しいが、ボリューム位置で音質が変わらないし、鮮度が高く、小音量でも音痩せがないと思う。
何より、操作感が最高に気持ちいい。指先の動きに正比例する超滑らかな音量変化(0.125dB!)はまさにフェーダー。エンジニアのように1曲の中でも微調整したくなるほどだ。
電源(ACアダプター)が必要になるが、Baby RAMに比べてサイズが半分以下なので 使い勝手はいい。
電子ボリュームならでは機能として、スイッチを長押しすることでリファレンス音量やDIM音量を任意に設定できるのも面白い。
パッシブ型よりラインケーブルを引き回しやすく、実質的にバランス型ラインプリアンプと言える。高性能ヘッドフォンアンプとしても使えるので、いずれ試してみたい。
PCのストリーミング再生と良質なDAC、モニターコントローラー、そしてアクティブスピーカーがあれば現代のHi-Fiオーディオは完成してしまう。自分ももっとシンプル化したくなってきた...