2021年05月19日
QSCのアナログ・パワーアンプ

つい出来心で.....

QSCのフルアナログアンプ USA900。
パワートランジスタが16個並ぶ姿は壮観!4パラプッシュのAB級かな?
メンテ品を2万円ほどで買うことができたが、とてもそんな造りではない。


大きな電源トランス。重量は18kgほどある。
ファンはACモーターらしい。速度は2段階で普通の音量なら低速で回るが、騒音はぎりぎり許容範囲か。
試しにファンコネクタを抜いて停止させると無音状態でもヒートシンクが触れないほど熱くなって危険。アイドリング電流がかなり大きいようで、音質的には期待できる。

入力ボリュームも当然アナログ式。ディップスイッチでパラレル/ステレオ切替、リミッター、ハイパスフィルターのON/OFFが可能だがこれらの機能は使用しない。
入力はXLR/TRSバランスコネクター、スピーカー出力はバインディングポスト。電源は日本向け100ボルト。
出力は270w/ch(8Ω)で、ブリッジ(BTL)モードにすればモノラル900wのハイパワーアンプにもなる。ダンピングファクターは200以上となっている。

とても合理的で明快な、アメリカらしい?レイアウト。メンテナンスもしやすそうだ。
こうしたアンプは映画館などの音響設備に使われて酷使されていることが多いが、この個体は比較的状態が良さそう。
さて音はどうか。
第一印象では、やはり同じメーカーだな!と思った。DSP内蔵D級アンプであるQSC PLD4.2と共通点があり、明るくて、派手で、勢いがあり、音が前に出る。
しかしUSA900の方が太く、硬く、脂っこく、ガツガツとエネルギッシュで、鳴りっぱなしというか、ダイレクト感が強い。PLD4.2の方がレンジが広くて繊細で、抑えが効いた音だ。
低域はPLD4.2の方が引き締まっているが、量感と押し出しの強さではUSA900が上だ。バランスが違うのでEQの掛け方を少し変える必要がある。
ロックやジャズならUSA900の方が楽しめそうだが、やや粗さもあり、長く聴くと疲れるかもしれない。どちらも民生用アンプとは明らかに違い、おおらかでスカッと開放的な、好みのサウンドだ。
USA900を入手した理由は、試行錯誤の結果マルチからパッシブネットワークに戻し、PULTEC型とDAC内蔵PEQを使うようになったからだ。パワーアンプ内蔵DSPによるA/D-D/A変換は不要になった。
もちろんPLD4.2は800w×2chパワーアンプとしても一級品であり、純粋に音質で2台を比較すると、一長一短という感じ。
しばらく比較しながら使ってみて、「よく使う方」を残すことにしようと思う。