2021年04月16日
XF18mmF1.4 R LM WR発表
FUJIFILM X-S10とXF10-24mm+16-80mmの使い勝手は最高だが、写りを詳細に見れば最高ではない。中央はシャープだが周辺に近づくにつれて解像度が落ちる。発色やコントラストもパキパキに鮮烈な描写、というわけではない。ライカM10-Pは2400万画素フルサイズセンサーをレンズ性能が上回り、「ピクセルの角」が出るような描写をするが、富士フィルムのレンズは2610万画素APS-Cセンサーを十分に活かせてない感じだ。ただしこの2本は光学的手ブレ補正を搭載した便利な高倍率ズームであり、写りだけを追求したレンズではないので仕方ないだろう。単焦点のVILTROX23mm/F1.4にしても、中華製の安価なレンズをもってXシステムの実力とは言えない。
カメラの性能を出し切れる高性能な標準~広角常用レンズを1本欲しいと思うが、決定版がなかった。14/2.8、18/2、23/1.4、35/1.4あたりは設計が古く、AFが旧式で遅く煩い。F2WR系統は明るさと近接距離が物足りない。16/1.4WRは寄れて良さそうだなと思っていたところへ、XF18mmF1.4 R LM WRが発表された。
作例を見ると、超優秀レンズだけが持っている立体感、ハッとするような鮮鋭な発色とコントラストが感じられる。レビュー動画にあるフラットな被写体でのテストに驚く。F1.4開放の周辺まで極めて高い解像度とコントラスト!まさに次世代レンズという感じがする。MTFを見ても非常に優秀であり、空間周波数の高い都市、建築、自然などの風景を隅々まで克明に写し出せるだろう。また高解像度で像面がフラットなレンズは合焦ピークが強く出るので、F値以上に大きなボケ感が出せるはずだ。
富士フィルムのWEBサイトやプロモ動画を見ると、気合いの入り方が伝わってくる。XFシリーズ最高画質を謳い、28mmというありふれた画角に、F1.4の明るさと考えうる最高性能を突っ込んできた感じだ。18mm/F1.4を先頭に、23mmや35mmなどのプライムラインも順次刷新されていくのではないか。28mmは常用レンズとしてはやや広いが、F1.4の深度と最短20cmの応用範囲は広い。370gの重量もX-S10とバランスしそうだ。Xシステムを本気で使うならこれだなと思った。
見慣れた画角の、全く新しい広角レンズ
これは28mmの再定義。長く愛された歴史に裏付けされた自然なパースペクティブ、スピード感、そして圧倒的な情報量は、広角の醍醐味に満ちています。高画素化を見据えた超高解像性能を実現する先端テクノロジーが、定番と掛け合わさるとき、全く新しい写真が生み出される。このレンズを手に、未来へ踏み出しましょう。
目に映る全てを残す
両目で見たときの視野角に最も近いとされ、歪みのないワイド感と自然な遠近感は、あなたが見た光景をそのまま写真に置き換えます。横位置では広がりを、縦位置では奥行きを演出し、日常のなかにある美を誇張することなく際立てる。高解像により細部のディテールは肉眼さえも超え、広角レンズの滋養が凝縮されています。
光の鮮度の高さ
例えるなら"光の鮮度"とでも言うべきもの。濁りがなく、鋭さを超えて驚くべき透明さ。EDレンズ一枚、非球面レンズ三枚を含む、9群15枚の構成で、各収差を徹底的に抑え込み、未来をも見据えた超高解像性能を実現。開放F1.4から最高レベルの描写性能を顕わし、鮮度の高い光を写真へと集約します。
この快適さはパンフォーカスを超えた
広角レンズで最も早く快適なのは、絞り込んでのパンフォーカス、というのが定説。それを覆すスピードと正確さ、しかも絞り値や被写体の影響を受けないAF。最短撮影距離から無限遠を、高い制御技術によって数ミリの移動量でカバーすることで速度を飛躍的に向上させ、大口径のポテンシャルを余すことなく発揮します。
広角レンズで咲かせる花
大口径F1.4と最短撮影距離20cmの組み合わせにより、広角レンズとしては常識外のボケは、量だけでなく質も求められる。サジタルコマ収差を抑え、点光源を丸く描写、ボケの色づきも少ない。高解像との対比で生み出されるボケは、美しい花のよう。ポートレートや夜景での撮影領域を拡大します。
オートを活かすためのマニュアル
MFリングの分解能は従来の6倍となり、最短撮影距離から無限遠までをおおよそ180°の回転角で調整可能。精緻で快適なMFが可能に。動画でのフォーカス移動では、ピントリングの動きにリニアに反応して自然でなめらか。撮影における心の動きを分断しない、流れるようにスムーズな操作を促します。
シーンタフネスは次のレベルへ
防塵防滴と大口径の組み合わせにより、晴れから雨へ、昼から夜へ、撮影環境の変化にシームレスに対応が可能。光の変化や撮影者の感性に鋭敏に反応するために、見えないコートを身に纏っているのです。