2021年03月24日
夕暮れパノラマ
XF10-24/F4 広角端F5.6
XF10-24/F4 望遠端F5.6
近所の風景や室内で、FUJI X-S10+XF10-24とライカM10-P+16-18-21を比較テスト中。
結果から言えば、フジは使い勝手でライカに圧勝だが、画質では明らかにライカに負けている。
海外の多くのレビューで開放の隅の解像度が低下することを確認していたが、4隅だけでなく周囲30%くらいの範囲で放射方向に流れるように解像度、コントラストが落ちていく。
F5.6でもあまり変わらず、F8で少し改善され、F11がベストだが十分ではない。F16では回折現象により全体的に解像度が落ちる。建築を撮るならF11としたい。
ライカのトリ・エルマー16-18-21は開放F4から周辺までほぼ均一で、F5.6~8で最高レベルになる。画面のどこを拡大しても解像度とコントラストの差が少なく、像面がフラットで、風景をスキャンしたように写る。
カメラボディのセンサーは画素数がほぼ同等でローパスレスだが、画素ピッチの違いはある。
RAW画像をLightroomで比べると、ライカM10はピクセルの角が出る感じでクッキリしており、X-S10は少しモヤッと感があるし、同一感度ならノイズは多い。
ただしライカはモアレ、偽色がとても出やすい(センサー解像度<レンズ解像度)のに対してフジは独自の配列センサーのため全く出ないので実用的だ。
ライカの早期引退も覚悟していたが、改めてトリ・エルマーの優秀さを知ることになった。三脚に据え付ける建築撮影ではライカに一日の長があると思う。
XF10-24の性能は小型化、低価格、広いズームレンジ、手ぶれ補正ユニットなどを考えれば仕方ないかもしれない。実用する画像サイズでは問題ないが、立体感や雰囲気の差は感じる。
ただしフジは手ぶれ補正によってライカより絞れて、ISO感度も下げられるため、手持ち環境であれば差は縮まってくる。
15~36mm相当のズームレンジはレンズ交換要らずで超便利。X-S10とのコンビは機動性が高く、短時間で多くの撮影ができる。
完成間際の慌ただしい工事現場や資料記録写真、プライベートまで広範囲に使えるので、しばらくはライカと併用してみようと思う。
建築写真ではライカ+トリ・エルマーを三脚に載せて全景を押さえ、手持ちのフジで広範囲に撮っていくのが良いかもしれない。