2021年02月20日
VILTROX23mm F1.4

やはり明るい単焦点が1本は必要で、特に35mmは外せない。FUJI純正レンズもいいが、古い設計なのでAF速度が遅くジーコジーコと動く。VILTROXは3万円台でなんとステッピングモーターを採用し純正より速くて静かという評価。260gでフィルター径52mmと十分にコンパクトだ。 聴き慣れないメーカーだが、トキナーに全く同じ形状・スペックのレンズがあり、おそらくOEM製造元ではないかと思う。YouTubeのレビューなどを見て性能は問題なさそうだったので購入した。

便利ズームXF16-80mm/F4に比べればずっと小さくて軽い。X-S10とのバランスも最高。金属鏡胴で質感も良く、花形フードまでメタル製だ。
マニュアルフォーカスリングは適度なトルクで滑らかに動く。絞りリングにクリックが無いのは動画撮影を意識した仕様だろう。
ボディへの装着は純正より少し固かった。そしてなぜかVILTROXのリアキャップはFUJIのレンズに装着できなかった。

近接は優秀で、ボケ味も悪くない。開放ではやや柔らかいが中央はシャープだ。



最短撮影距離は0.3mと普通。マクロとはいかないがテーブルフォトには問題ない。
最近はiPhoneのポートレートモードで済ませることが多かったが、立体感やボケ味はやはり違う。

周辺光量落ちと樽型の歪曲はある。Lightroomで補正は可能だが自動プロファイルはなぜかFUJI XF23mmF1.4として読み込まれてしまう。

遠景の開放では全体的に甘くなり、ボケはちょっとオールドレンズっぽい?癖がある。非球面レンズは使用していないそうだ。

オートフォーカスはとても速くて静か。AF+MFでマニュアルフォーカスへの移行もスムーズ、滑らかに作動する。
X-S10のボディ手振れ補正もしっかり効いている。F1.4の明るさも相まって、静物は低ISOで撮影できる。
ただ、このレンズを使っていて気になったことがある。
X-S10やその他Xシリーズカメラは(おそらく他社ミラーレスの多くも)、明るさに応じてライブビューを適切に表示するために絞りが自動的に動く仕様になっている。液晶に常時表示されるのは実際の撮影画像とは異なり、レリーズ半押しした時だけ、設定している絞りが反映される。それは仕方ないとして、VILTROXのような大口径レンズでは大きな絞りがカタカタと動き続けるので音がうるさく、表示画像の被写界深度も勝手に変化していくのでストレスがある。暗い室内では開放近くになるため動きが少なく、明るい屋外では頻繁に動くようだ。(XF16-80mmF4も同様だが変化が少なく、絞り羽根も小さいので音もほとんど気にならなかった)ライカは絞り制御できないマニュアルレンズでライブビュー画像が適切に表示できているし、感度自動調整で対応できる気がするのだが、強い光からセンサーを守る目的もあるのだろうか。
これはミラーレスカメラ共通の問題だと思うが、指摘している記事はあまり見ない。

オリンパスOM4Tiに小さな単焦点レンズを付けていた頃を思い出すバランス感。持っても撮っても軽快で、かつカメラらしさがある。
AFが速くスムーズなので動画撮影にも向いており、背景をぼかした印象的な動画が撮れる。YouTubeのレビューを見ると動画用途で買う人が多いのかもしれない。
純正のXF23mmF1.4Rは設計が古くて高価だし、XF23mmF2WRは絞り1段の差が大きい。
フルサイズ換算35mm/F2相当の被写界深度で、ビルドクオリティが高く動作もしっかりしたAFレンズが3万円台で買えるとは中華恐るべし!