2020年11月21日
Pultec EQ総覧








Pultec型の共通点は、トランス入力→パッシブEQ→真空管プッシュプルラインアンプ→トランス出力というところだ。
いずれの機器もデザインとコンストラクションに個性があり、ピュアオーディオ機器が失ってしまった夢が詰まっているように思う。

Pultec EQはとても感覚的に好みの音を作ることができる。特に低域ブーストの自然さは、同じことをデジタルEQでやると結構手間がかかる。
オリジナルPultecのイコライジングカーブ(上図)を見ると、かなり広い範囲で効いていることがわかる。ピンクノイズをマイクで測定しながらEQしてみても概ねこんな感じ。
カットはブーストより1オクターブほど高いところから効くので、ブーストの肩特性を調整できるのがミソ。中低域をクリーンに保ちつつパンチを加えられる。
同様に高域も細かく調整することで、小音量でも厚みと輝きのあるプレゼンス豊かな音を作り出すことができる。
カットオフ周波数とカーブが絶妙で、デジタルEQよりもずっと素早く好みの音に近づけられる。これは使った人にしかわからないかもしれない。
このEQで「気持ちいい音」を確認した上で、測定も併用し調整幅を残しつつパワーアンプのクロスオーバー、EQ、DSPを再設定している。