ROBERTOHOUSE

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    2020年10月30日

    Pultec

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    Pultecタイプという業務用イコライザーについて構想、妄想。





    現状のシステムはこのように超シンプルな構成になっている。

    Macbook→USB出力
    →ADI-2PRO(DAC・プリアンプ)
    →QSC PLD4.2(クロスオーバー内蔵4chパワーアンプ)
    →2wayスピーカーをダイレクト・マルチドライブ


    (アナログレコードやカセットデッキは、真空管プリアンプを経由してADI-2PROにアナログ入力)


    高域のみ真空管アンプとする変則バイアンプや、QSCをBTL2chとしてのパッシブネットワークドライブも試し、今のところQSCの4chマルチがベターのようだ。
    某ハイエンドアンプを試して再認識したのだが、QSCにはパワー感だけでなく独特の艶、熱気や明るさがあり、音が前に出る。
    JBLの業務用ユニットとのマッチングも良いのだと思う。特にジャズやロックなどの元気な音楽に合う。

    これで特に不満はないのだが、オーディオ沼はそう単純ではない。満足した瞬間に、次の変化を求めたくなるものだ(笑)

    デジタル音源であっても、できることなら真空管を通したい。
    QSCのタイトなキレをそのままに、ほんのりと肌触りの良さ、味付けを加えたいな、と思い始めた。


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    バランス式真空管バッファアンプを特注してDACとパワーアンプの間に挿入することも考えていたが、別の方法を思いついた。

    業務用アウトボードに良いものがあるのではないか?

    以前、真空管パラメトリックイコライザーDRAWMER1961を使っていて、EQフラットで通すだけでも音が熱気を帯びるように良い方向に変化した。
    EQの効き方もスムーズで、かなり大胆にいじっても音に嫌味が出なかった。オーディオリスニングに使っても一級品だと思った。
    パラメトリックEQは各パートの調整だけでなくマスタリングの最終ステレオバスに入れることもあり、オーディオに使えて何の不思議もない。

    当時のシステムはアンバランス接続が中心で、ルーティングが複雑になって手放してしまったのだが、ちょっと後悔している。
    今はADI-2PROがコントロールセンターとしてバランス・アンバランスを統合できているので、業務用機材がうまくハマりそうだ。

    しかし1961は既にディスコンになり、DACにもアンプにもDSPが内蔵されているシステムで4バンドのアナログEQは要らないかなと思う。



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    そこで調べていたらPultec EQP-1Aが目に止まった。

    パラメトリックイコライザーの元祖のような存在で「通すだけで音が良くなる魔法のひとさじ」とも言われているようだ。

    →Pultec EQの歴史


     


    1950年頃に登場以来、数々のレコーディングに使われてきた名機。実機EQP -1Aは今やヴィンテージであり市場にほとんど存在しない。
    しかしPultecタイプのプラグインとして音楽制作現場のDAWで広く使われており、回路を模倣したアウトボードも多数出ている。



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    PultecタイプEQは入力トランス受けでパッシブEQ回路を通し、下がったゲイン分を真空管プッシュプルラインアンプで増幅し、出力トランスでバランス出力する。
    EQは2バンドだが、カットとブーストを同時併用できて、各々のカーブが約1oct異なることで複雑なコントロールが可能。特に低域を膨らませずにブーストする効果が知られている。

    面白いのは、EQをバイパスしても、入力トランス→真空管ラインアンプ→出力トランスを通る。これはまさに自分が求めている機能といえる。



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    TUBETECH ( チューブテック ) / PE1CやRETRO Instruments 2A3のような超高級機から、激安のKLARK TEKNIK ( クラークテクニック ) / EQP-KTまである。
    WARM AUDIO EQP-WAはデザインがオリジナルに似ていて価格もそこそこ。(ステレオで2台必要なので少ない投資ではないけど...)
    SUMMIT AUDIO EQP-200Bは高価だが2chステレオでスマートな構成だ。

    →EQP-KT&EQP-WA 比較記事

    →KLARK TEKNIK EQP-KTの使用レビュー!自然な効きが魅力のPultec型パッシブEQ

    レビューを見ると安価なクラークテクニックでも十分良さそうだが、スイッチング電源なのはちょっと気になるかな。



     


    いくつかの動画で効果を聴いてみると、とても滑らかな効き具合で、かつ変化が大きいように感じる。
    スピーカー補償よりも、楽曲によってこまめに調整すると面白いかもしれない。まあDACにもEQは内蔵されているのだが(^^;

    使いこなしの問題点としては、真空管による2次歪率は入力レベルに影響されるので、DACでボリューム操作すると音量によって音質が変わってしまう可能性がある。
    EQの後ろにボリュームを入れるほうが安定するはずだが、ボリュームによる劣化をあるし、バランス式のアナログボリュームで良いものは少ない。



    気がつけば業務用機材ばかり使うようになってきた。業界が縮小し硬直化したホームオーディオにはない世界がそこに広がっている。
    特にアナログ式プロセッサーを利用している人は少ないので未知の世界への冒険になる。考えているだけで楽しい。














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