2020年03月02日
平行法の勝利

スピーカーの周囲に大きな空間があるのがカルダス式セッティングの特徴。
普通の置き方よりも直接音の割合が大きく、音がはっきり聴こえ、定位が明確になる。
これでスピーカーを内振りにするとストイック過ぎるというか、スピーカーと対峙する感が強くなる。
解像度は高まり、定位はさらに明確に、小さくなるが、拡がりと奥行きが少なくなった。視覚的な影響も多少あるとは思うが。

スピーカーを壁と平行に置くと、音場の拡がりが自然になり、スピーカーの存在感が減り、音調も柔らかく感じられる。
このスピーカーは指向性が広く、どの角度でも同じような音は聴こえるのだが、内振りではやや音が鋭くなる。
2344ホーンは(壁面に埋め込まれることが多い)スタジオモニター用途が想定されていることからも、平行配置が正しいのかもしれない。
平行法vs内振りは永遠のテーマで、一概に優劣は言えない。スピーカーや部屋の環境によって変わると思う。
この部屋で、このスピーカーで、カルダス式に準拠した配置の場合は、平行法の勝ちであった。

このようなスピーカーを、変則的バイアンプ接続で鳴らしている。
低域はQSC PLD4.2のBTL800wでドライブ。内蔵DSPにより、1kHz・48dB/octでカットしている。
高域はミズナガさんのEL34モノラル・パラレルプッシュプルで、コンデンサ1μFの6dB/octと超シンプルなパッシブネットワーク。
1μFを教科書どおりに計算すれば20kHzクロスだが、決してそうはならないところがスピーカー設計の面白いところだ。
小容量コンデンサ1個のなだらかなカットオフによって、ホーンのカマボコ特性を補償しつつ、アッテネーターも省略でき、約1kHzクロスが実現している。
当初はQSC PLD4.2の4chドライブで、パワフルで明るい音は悪くなかったが、残留ノイズが目立ったし、中高域は真空管アンプのほうが肌触りがいい。
このままフル・パッシブネットワークにする場合は、低域に2.7mHのコイル、高域に8Ωの抵抗を直列に加えるだけでバランスが取れる。
全体的にバイアンプ接続よりも柔らかい音になるが、これも悪くない。
スタンドやインシュレーターも追い込み、セッティングは概ね良いと思う。あとはクロスオーバーやEQ等の微調整のレベルか。
オーディオ弄りは、システムが完成すると終わってしまう。しばらくお休みするか、イチから再構築するか、考える時期に来たかな...
※もうミニノートPCを使う人も少ないし、フルHD以上が標準なので、ブログの表示サイズを少し大きくしてみました。