2020年01月23日
変則バイアンプ
業務用4chアンプQSC PLD4.2で2wayをマルチドライブしていたのだが、高域のS/Nと粗さに不満があり、真空管アンプの再活用をテスト。
プリアンプとして使っているDAC(RME ADI-2PRO)はXLRとTSの同時出力ができるので簡単に構築できる。
<高域> ADI-2PROのTS(アンバランス)出力 → EL34パラレルプッシュプル・モノラルアンプ → HPF(小容量コンデンサのみ)→ ホーンドライバー(JBL2426H)
<低域> ADI-2PROのXLR(バランス)出力 → QSC PLD4.2(内蔵DSPによる48dB/octクロスオーバー:1.0~1.2kHz) → ウーハー(JBL2206H)
低域は真空管アンプより業務用D級のQSCのほうが締まっていてパワー感、スピード感がある。高域は真空管アンプのほうが艶感や滑らかさがあり残留ノイズも小さい.....そんな都合よくイイトコドリにはならないと予想した。過去のシステムで何度かバイアンプを試したときはアンプの音色の違いが気になった。例えば低域にプッシュプルや半導体、高域に300Bシングルなどではうまく行かなかった。
しかし今回は違和感がない!ウーハーの高域を48dB/octで急峻にカットしているのでオーバーラップが少ないせいかもしれない。高域のS/Nと透明感、解像感、鮮度、定位感などが向上した。QSCの高域も明るく元気ではあったが、肌触りとか品位が違う感じがする。低域は真空管アンプの単独ドライブよりキレがよくパワフルで、繋がりも自然に聴こえる。
アンプの個性の違いもあるが、ホーンドライバーをパッシブのコンデンサ1個だけでドライブし、余計なDSPやオペアンプ等を通さないメリットが大きいと思う。もちろん純粋なパッシブネットワークと違ってレベル合わせは自由になる。低域用アンプが400w、高域用アンプが70wとバランスもいいと思う。しばらく聴き続けて違和感がなければこれでいってみよう。
と、ここまで書いてから気がついたけど、QSC PLD4.2の内蔵DSPはレイテンシー(遅延)が少ないとはいえ、約0.9msあるんだよな…高域はパッシブだから遅延はない。つまり低域と高域のタイムアライメントが整合せず、ウーハーが距離にして30cmほど後退する。実際はウーハーのコーンがドライバーのダイアフラムより10cmほど手前にあるので、20cmほどのズレとなりそう。(ウーハーの起点はボイスコイル位置とも言われるが、ボビンからコーンへ伝わる音速は空気中より遥かに速いので、概ねコーン面とみてよいのでは)しかし今のところ違和感はない。これもシャープなクロスオーバーで干渉が少ないおかげかもしれない。
QSC PLD4.2の2ch分を余らせているのは勿体ないので、うまく行ったらBTL 2chモード(800W!!)にしても良いだろう。400wでも持て余すのでメリットがあるとは思えないけど...