2019年12月16日
iOS版Lrのカラースペース問題解決




ブログなどにアップロードする際に色が変わってしまう現象。
PC版では解決済みだけど、iPhone、iPadではカラースペースの設定方法がわからずにいた。
超簡単なことだった... 書き出し設定メニューの右側のスライドスイッチアイコンを見逃していたらしい(^^;
(それとも、最近アップデートされて加わったとか?)
ここでsRGBを選択すれば、WEB上で正しい色再現ができる。
ただし他のカラースペースのほうが色域は広いので、用途に応じて選択すればよい。

この書き出し設定をAdobeRGBにしてブログにアップすると、端末上の画像よりも彩度が低く、赤系が抜けたような色で、鮮やかさもなくなる。

LEICA M10-P + Tri-Elmar-M F4/16-18-21mm(トリミング)
sRGBにすると、Lr上で処理したイメージのまま、ブログにアップロードできた。
巷ではRAWとJPEG、どちらで撮るかという論争が未だにあるようだが、もう結論は出ているように思う。
まず、デジタルカメラの画像はすべてRAWである。それがカメラ内で設定・画像処理→JPEG化して出力されるか、それをPC等のアプリで行うかの違いでしかない。PCで画像処理を行う場合も、どこまでRAWを維持して、どこでJPEG化するかというのが問題になる。
大昔、サムネイルすらまともに表示できなかった時代には、確かにRAWは扱いにくかった。大量の現像を行うとRAW廃人になった…その手間が面倒でRAWから離れた人は少なくないと思う。しかしアプリケーションが進化した今、RAWの画像処理をする上でJPEGとの境界はない。JPEGの明るさやコントラストを調整するのと何ら変わらず、その調整範囲が圧倒的に広い。しかも最新のLrでは、PC/iPhone/iPadのどの端末で操作してもクラウド上でRAWの処理状態が同期管理される。生データであるRAW(ライカではDNG)で全ての処理を行い、目的に応じてその都度「JPEGで書き出す」のが合理的。JPEG化は最後の最後、まさに紙にプリントするのと同じイメージだ。
「カメラ内でパラメータを完璧に設定してJPEG撮って出し」というのはカメラのキャラクターを味わうには良いが、Lrなどの現像アプリでの処理に比べれば自由度がほとんどない。カメラのセンサーから出力されたRAWデータには驚くほどの情報が詰まっている。真っ暗に見えるシャドウにも豊富な階調が眠っていて、ノイズも増やさずに再現することができる。一度JPEG化してしまえば、多くの情報が欠落し、戻すことができない。JPEGのみの撮影では、カメラの性能のごく一部しか使わないことになる。
というわけで自分はライカでの撮影はDNGオンリーにしてしまった。以前はDNG+JPEGラージとしていたが、カメラ内JPEGを使うことは一切なくなったので、ストレージと転送時間の無駄使いでしかない。PC/iPhone/iPadいずれかの端末でLrにDNGを読み込んだらSDカードをフォーマットし、まっさらにする。ライカはLrが標準アプリであり、6bitコードによってレンズごとにプロファイルが最適化されている。同期されたDNGを時間のあるときに処理し、必要に応じてJPEG書き出しで共有する。カメラ内の画質設定に凝る必要はない。ホワイトバランスも常時デイライト固定のほうがむしろ処理しやすい。ある意味フィルム時代に戻ったような感覚で、デジタルのライカをよりシンプルに使えるようになった。