2019年08月31日
JBL再び
最初に使ったJBL LE85は60年近く経過してアルニコの減磁もあるのか、またダイヤフラムの劣化か、左右の特性が揃わず、少し癖も感じた。
以前使っていた同型機の2420ではあまり感じなかったが、年代物なのでコンディションを揃える難しさがあると思う。
そこでサウンドハウスのプライベートブランド製品であるクラシックプロ CPD44IIに目をつけた。
これが驚異的な低価格ながら高域が圧倒的にワイドレンジで、ハイファイ感は高い。しかしJBLに比べて音の薄さ、軽さは拭えなかった。
歪み感も少なくてクラシックも十分聴ける音だが、ジャズやロックにはやや物足りないし、ボーカルはもっと前に出てほしい。
コンディションの良い個体さえ入手できれば、やはりJBLのほうが良さそうだ。
そこでLE85(2420)の90年代後継機でフェライトマグネットの2426Hに目をつけた。
さすがに大型で重量級。2426Hのほうがスロートが4cmほど長く、厳密にはウーハーとの位相関係も変わってくる。
補修パーツ扱いなのかゴムカバーやネームプレートが無いため格安だったが、ピュアチタニウムダイヤフラムは新品。
フェライトマグネットは減磁しないので、実用上は新品同様と言っていいだろう。
左:CPD44II 右:JBL2426H (軸上30cm・HPFとレベルは多少違いあり)
早速サインウェーブで調べてみると、やはり10kHz以上の高域はCPD44IIのほうが遥かに伸びている。(HPFが異なるので高域のみ参考に)
2344ホーンでこれだけ伸びるということは、ショートホーンならスーパーツイーター並みに出せるのでは。
振動系が軽いのか、あるいはスロートの短さが効いているのかもしれない。
しかし音楽を聴いてみると2426Hのほうが力強く、浸透力があり、生々しく、ボーカルはグンと前に出てくる。いわゆる「重高音」だ。
周波数特性は10kHzからダラ下がりだが、不思議なことにハイ落ちな感じはあまりしない。
LE85はもう手元に無いので比較はできないが、この2426Hのほうがパワフルな気がする。
ネットワークやEQ設定を再構築する必要はあるが、可能性を感じる音だ。
耐入力が大きいので、クロスオーバーをぎりぎりまで低くしてみるのも面白そう。
2426H/2344ホーンの推奨クロス下限はともに800Hzとなっている。
あるいはバイアンプ、いや、チャンネルデバイダーによるマルチアンプシステムも試してみたくなってきた...
高性能なトランス式アッテネーターでネットワークを組むより安く上がるかもしれない(^^)