2019年05月13日
ライカと建築写真
まず、なぜライカなのか?
それはフィルム時代からライカが大好きだったから。
静かで、確実で、素早く、小さく、手に馴染み、美しく、よく写る。プロダクトとしての思想が何十年もブレないのが素晴らしい。スクリューマウントのIIIcから始まり、M2、M5を愛用した。小型フィルムカメラの原器として完璧な機能性とデザインを有していたライカは、なんとそのままデジタル化までやってしまった。2009年にフルサイズのM9が出たときから猛烈に欲しかったけど、趣味カメラとしては高価すぎた。2013年発売のMtyp240がライブビュー機能を搭載し、建築撮影を兼用できるようになってようやく導入。デジタル一眼レフとすべてのレンズを処分して、清水の舞台から飛び降りた。
過去のレンズ交換式デジタルカメラ遍歴はこんな感じ。
2004
~2007 オリンパスE-1
~2009 オリンパスE-3
~2012 オリンパスE-5
~2014 ニコンD600
~2018 ライカM-P
~ ライカM10-P
デジタル一眼レフをオリンパスで始めた。7-14mmという神レンズもあり建築写真にはとても使いやすかったけれど、プライベートでは被写界深度が深すぎ、フィルム写真と違いすぎると感じるようになって、フルサイズのニコンを経てライカに移行したのだった。複数のマウントシステムを持つ余裕が無いし、使い切れないうちに旧式化するのも嫌なので、常に1台しか持たないようにしている。フィルム時代のようにサブカメラをもつ必要もあまり感じない。ライカは高価だけど、長く使ってもリセールバリューが高いので実質はそれほどでもない。いや確かに高いんだけど...他のカメラに目移りしなくなったので無駄な出費がなくなった(^^;
レンズに関しては、安価なコシナとかオールドレンズでも十分使える。もちろん純正レンズは最高だけど...
昔からライカといえば軽快なスナップ写真のイメージが強い。でも自分は三脚に載せてじっくり腰を据えた撮影にも十分使えると思っている。ピント、絞り、シャッターがフルマニュアルで視覚的にわかりやすく、M10になってISOダイヤルも独立。メニューやカスタム設定を使うことなく、フィルムの中判、大判カメラのような確実な操作ができる。M10-Pは水準器も搭載され、タッチパネルで任意の場所を拡大してピント確認も可能になった。欠点は、旧型typ240に比べてバッテリーが半分程度しかもたないことか。
でもやっぱり最大の魅力は、フィルムライカと同じサイズとホールド感、操作感の、伝統的なレンジファインダーカメラそのものであること。それを確認するためにM6を所有しているようなものかもしれない(笑)フィルム時代からのライカファンとしては、こんなカメラからデジタル画像を得られるのは夢のよう。
もちろん、一眼レフやミラーレスのように万能ではない。往年のライカ同様に、望遠レンズや接写を多用する人には向かないのは言うまでもない。
LEICA M10-P Zeiss Opton Zonnar50mm/f1.5
明るい素通しファインダーと連動距離計によって、オールドレンズの柔らかい写りを楽しむ。そんなオールドスクールな楽しみ方ができて、ちゃんとした仕事にも使える。
シンプルな操作系ゆえに、撮影にはスポーツのような感覚がある。日常の写真がスマートフォンで事足りてしまう現代に、ライカは貴重な存在だと思う。